先に、いちばん大事なことからお伝えします。「介護の夜勤手当は1回いくらが相場か」を直接示した公的な一次データは、実は存在しません。 ネット上では「1回6,000円前後」といった金額をよく見かけますが、それらは民間が独自に集計した数字で、厚生労働省や公的統計が「夜勤手当=1回◯円」と発表したものではありません。ここを最初に正直にお伝えするのが、この記事の出発点です。
そのうえで、夜勤手当について一次情報で確実に言えることは、次の3つに分かれます。記事ではこの3層を混同せず、何が「法律で決まった下限」で、何が「公的統計でわかる回数」で、何が「あくまで目安」なのかを、段落ごとに区別して説明します。
- 【法律=下限】 深夜(午後10時〜翌午前5時)に働いた時間は、法律で通常の賃金の2割5分(25%)以上の割増を支払う義務がある(労働基準法第37条第4項)。これが夜勤手当の最低ラインの根拠です。ただし法が決めるのは割増「率」であって、「1回◯円」ではありません。
- 【公的統計=回数】 深夜勤務がある介護職の1ヵ月の回数は平均5.2回、最も多いのは「月5〜6回」(37.0%)です(介護労働安定センター 令和6年度 介護労働実態調査)。タイトルの「回数別」の根拠はこれです。
- 【公的統計=月の超過分】 介護職員の月給のうち、残業・夜勤手当・休日手当などを合わせた「超過分」は月約1万5,600円と見られます(厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査の2つの公表値からの算出。後述)。これは夜勤手当“だけ”の額ではありません。
つまり、夜勤手当の実額は施設・回数・雇用形態によって変わります。最終的には求人票の記載を確認し、求人票で分からない労働条件は応募先(求人事業者)に直接、サービス自体に関する点は運営への一般問い合わせに確認するのが確実です。この記事は手当・福利厚生カテゴリの親記事「介護職の手当と福利厚生の一覧」の子記事で、夜勤「手当」の金額と回数の考え方だけに絞ります。夜勤なしという働き方の選び方は夜勤なしで働ける介護の職場と求人、月給全体の相場は介護職の給料を職種・施設で比較一覧をご覧ください。
