入社後の働き方を見分けるカギは、サービス残業・有給・割増賃金が法律どおり扱われているかです。 まずサービス残業について。記録の作成や申し送り、研修、会議なども、使用者の指揮監督下にある時間であれば労働時間に当たります(労働基準法第32条)。残業には割増賃金が必要で、時間外は原則25%以上、深夜(22時〜翌5時)は25%以上、休日は35%以上の割増になります(労働基準法第37条。出典:厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「介護労働者の労働条件の確保・改善のポイント」 https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/090501-1.pdf )。さらに、月60時間を超える時間外労働の割増率は、2023年4月1日から中小企業も含めて50%以上が適用されています(出典:厚生労働省「月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます(2023年4月1日から)」 https://www.mhlw.go.jp/content/000930914.pdf /なお前掲『介護労働者の労働条件の確保・改善のポイント』は中小企業への猶予を前提とした改正前の版のため、この点は現行の50%以上で読み替えてください)。「持ち帰りの記録は勤務外」「研修は手当も賃金もなし」が常態なら、労働時間の扱いを確認したいサインです。
こうした違反は珍しい話ではなく、行政が現に是正させています。長時間労働が疑われる事業場への令和6年度の監督指導では、実施した26,512事業場のうち、違法な時間外労働があったのは11,230事業場(42.4%)、賃金不払残業があったのは2,118事業場(8.0%)でした(出典:厚生労働省「長時間労働が疑われる事業場に対する令和6年度の監督指導結果を公表します」2025年7月30日公表 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59983.html )。これは「長時間労働が疑われる事業場」を選んで監督指導した結果で、介護に限った数字でも、全事業場の割合でもない点に注意してください。とはいえ、対象に選ばれた事業場では約4割で違法残業が見つかっている、という客観事実です。
有給休暇も見分けの材料です。長く働けている職場ほど、休みやすさを整えています。事業所が職場定着・離職防止のために最も多く行っている方策は「有給休暇等の各種休暇の取得や勤務日時の変更をしやすい職場づくり」で74.7%、次いで「人間関係が良好な職場づくり」72.0%でした(出典:公益財団法人 介護労働安定センター「令和6年度 介護労働実態調査 結果の概要について」事業所調査/2025年7月28日公表)。裏を返せば、有給が取れない・希望を出しにくい職場は、その逆の状態にある可能性があります。日勤中心や夜勤の有無で働き方を絞りたい方は夜勤なしで働ける介護の職場と求人や日勤のみの介護求人と向いている人、勤務形態全体の考え方は介護の働き方と勤務形態の選び方も参考になります。