結論として、ブランクの年数に上限はなく、復職は珍しくありません。離職率はむしろ2年連続で低下し令和6年度は12.4%、介護職員の必要数は2026年度に約240万人(+約25万人)と増える見込みで、経験者は今も求められています(出典:介護労働安定センター 令和6年度介護労働実態調査/2025年7月28日公表、厚生労働省 第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数/2024年7月公表)。技術への不安は無料の復職支援講習で学び直せます。
ブランクから介護に復職する不安解消
- 作成日
- 2026年6月27日
- 最終更新日
- 2026年6月27日
介護 ブランク 復職の不安を一次データで解消。離職率は2年連続低下(令和6年度12.4%)、介護職員の必要数は2026年度に約240万人と増加見込み。届出制度・再就職準備金40万円(所定要件・2年勤務で免除)など公的支援と、人間関係・体力・給料の見極め方を出典付きで解説します。
1結論:介護への復職は珍しくないし、受け皿も公的支援もあります
ブランクがあっても介護に復職するのは、けっして珍しいことではありません。 むしろ現場は今も人を必要としていて、復職を後押しする公的なしくみがいくつも用意されています。「もう何年も離れたから無理かも」と感じている方に、まず安心してほしくて、この記事は数字と制度の事実からお伝えします。
根拠を3つだけ先に挙げます。第一に、辞める人はむしろ減っています。介護労働安定センターの令和6年度 介護労働実態調査では、訪問介護員・介護職員2職種を合わせた離職率は12.4%で、2年連続の低下でした(出典:公益財団法人介護労働安定センター「令和6年度 介護労働実態調査結果」/2025年7月28日公表)。第二に、受け皿は今後も大きくなります。厚生労働省の第9期介護保険事業計画に基づく推計では、介護職員の必要数は2022年度の215万人に対し、2026年度に約240万人(+約25万人)、2040年度に約272万人(+約57万人)と見込まれています(出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」/2024年7月12日公表)。第三に、ブランクのある有資格者を支える公的支援(届出制度・再就職準備金・復職支援講習など)が整っています。
この記事は「職場の見極め」カテゴリの記事です。復職にあたっての不安(技術・体力・人間関係・お金)をデータで和らげ、復職後に後悔しない職場の選び方の観点までをご案内します。なお介護おしごとさーちは、介護求人の掲載・検索を提供するサービスで、特定の方に特定の求人をあっせん・推薦することはしません。どの職場を選ぶかの主役は、いつもあなたご自身です。
2ブランク復職者が抱える4つの不安を、データで見てみる
復職をためらう気持ちの多くは、「技術が抜けた」「体力がもつか」「人間関係が怖い」「給料はどうか」の4つに整理できます。 どれも自然な不安です。まずは現場の声を一次データで眺めて、不安の正体を具体的にしてみましょう。
令和6年度 介護労働実態調査では、労働条件・仕事の負担についての悩み・不安・不満等(複数回答)の上位は次のとおりでした。
| 悩み・不安・不満(複数回答) | 割合 |
|---|---|
| 人手が足りない | 49.1% |
| 仕事内容のわりに賃金が低い | 35.3% |
| 身体的負担が大きい(腰痛の不安など) | 24.6% |
(出典:公益財団法人介護労働安定センター「令和6年度 介護労働実態調査結果」/2025年7月28日公表)
この数字は、あなたの不安が「自分だけのもの」ではなく、現場で働く人にも共通するものだと教えてくれます。体力(身体的負担)を心配するのは自然なことですし、給料への不安も多くの人が感じています。逆に言えば、これらは職場選びのときに事前に確認すべきチェック観点でもあります。たとえば身体的負担は、介護ロボットやICT・移乗リフトの導入有無で軽くできる職場もあります。次の章から、4つの不安を一つずつ見ていきます。
なお、「介護がきつい」と感じる理由そのものを整理したい方は介護がきついと感じる理由と乗り越え方を、人間関係で消耗していた方は介護の人間関係に疲れた時の対処法もあわせてどうぞ。
3不安①「技術が抜けた」→ 無料の復職支援講習で学び直せます
「久しぶりで手技を忘れた」という不安には、学び直しの場が用意されています。 各都道府県の福祉人材センターや自治体が、有資格者・経験者(一部は無資格・未経験も対象)向けに、最新の介護知識・技術を学び直す再就職支援講習(Reスタート講座など)を実施しています。
講習の内容は自治体によって異なりますが、社会保険制度やコミュニケーション技術の講義から、食事・移動移乗・着脱の介助といった実技までを、無料で学べる例があります(出典:厚生労働省「福祉人材確保対策」/参照2026年6月。具体的な講座名・時期・定員・対象は各都道府県の福祉人材センターで要確認)。「現場に戻る前に体で思い出しておきたい」という方には、いきなり就業するより心の準備になります。
ここでお伝えしたいのは、こうした学び直しは自分で申し込んで使えるという点です。介護おしごとさーちが特定の講座へあっせんすることはありません。お住まいの都道府県名と「福祉人材センター」「再就職支援講習」で検索すると、公式の案内にたどり着けます。内容や開催時期は変わるため、最新情報は必ず各センターでご確認ください(目安としての案内です)。
4不安②「資格は失効していない?」→ 介護福祉士の登録は更新不要です
介護福祉士の登録は、自動車免許のような定期更新がなく、登録を取り消されない限り有効です。 ブランクがあっても、資格そのものが期限切れで消えてしまうわけではありません。これは安心材料の一つです。
そして有資格者の母数はとても大きく、介護福祉士の登録者数は約194万人(令和5年9月時点の目安。登録者数は試験センターの最新公表資料で要確認)とされています(出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「資格登録 登録者数の状況」。数値はリンク先ページから参照できる登録者数のPDF資料に掲載)。これだけ多くの有資格者がいれば、その中に一度離職してブランク中の人が大勢いるのは当然で、「戻る人は珍しくない」ことの裏づけになります。
さらに、離職した介護福祉士等には、都道府県福祉人材センターへ氏名・住所等を届け出る制度があります。これは社会福祉法に基づく努力義務で、介護福祉士のほか、介護職員初任者研修・実務者研修・(旧)ホームヘルパー1級2級・(旧)介護職員基礎研修の修了者も任意で届け出られます。届け出ると、最新情報の提供・研修によるスキル維持向上のサポート・就業場所の紹介などの支援を継続して受けられます(出典:厚生労働省「介護福祉士の資格等取得者の届出制度」/参照2026年6月)。届出は「福祉のお仕事」サイトから自分で行えます(出典:福祉のお仕事 届出サイト)。これも、運営が誰かをあっせんするものではなく、あなた自身が届け出て情報・研修支援を受けられる公的な入口です。資格の取り直しや受験要件が気になる方は資格から考える介護のキャリアの作り方もご覧ください。
5不安③「体力・給料は?」→ 賃金は上がり、人手不足の事業所が多い状況です
体力(身体的負担)と給料は、復職前に必ず気になるところです。結論として、賃金は上昇傾向にあり、人手不足の事業所が多いというのが現場のデータです。 ただし金額は地域・職種・経験で変わるため、以下はあくまで目安として受け取ってください。
令和6年度 介護労働実態調査によると、賃金支払形態が月給の人の通常月の平均月収は248,884円で、前年度比+3.1%でした(出典:公益財団法人介護労働安定センター「令和6年度 介護労働実態調査結果」/2025年7月28日公表)。また、従業員が不足とする事業所(「大いに不足」+「不足」+「やや不足」)の割合は65.2%で、前年度の64.7%からわずかに上昇しています(同調査)。人手が足りない事業所が多く、経験者を求める求人も見られるということは、ブランクのある経験者にとっても、焦らず条件を比べてよい状況だということです(個々の採用可否を保証するものではありません)。
体力面では、身体的負担を悩みに挙げた人が24.6%いた(同調査)一方、移乗リフトや介護ロボット・ICTを導入して負担を減らす職場も増えています。求人を見るときは「夜勤の有無」「介護機器の導入」「日勤のみ可」などを確認軸にすると、自分の体力に合う職場を選びやすくなります。給料の金額相場をきちんと比べたい方は介護職の給料を職種・施設で比較一覧へ。夜勤を避けたい方は夜勤なしで働ける介護の職場と求人、日勤中心がよい方は日勤のみの介護求人と向いている人で、それぞれの探し方を扱っています(金額・条件は各自で要確認の目安です)。
6不安④「お金が心配」→ 復職には公的な貸付支援があります
ブランク復職で見落とされがちなのが、復帰そのものを支える公的なお金の支援です。所定の要件を満たして一定期間勤務すれば返済が免除される貸付制度があります。 自分で申請して使える制度なので、知っておくと復職のハードルが下がります。
中心となるのが「離職した介護人材の再就職準備金貸付事業」です。(1)介護福祉士・実務者研修・初任者研修のいずれかを修了し、(2)介護保険サービス事業所等で1年以上の勤務経験があり、(3)介護職員等として再就職した人が対象で、貸付上限は40万円以内。所定の要件を満たして再就職後に介護職員等として2年間勤務すると、返済が全額免除されます(出典:厚生労働省「介護職として再就職をお考えの方へ(再就職準備金、就職支援金のご案内)」/参照2026年6月)。有資格でブランクのある復職者にとって、現実的に使える経済支援の最有力です。なお、2年間勤務するなどの要件を満たす前に途中退職した場合などは、返済が必要になることがあります。
未経験から介護に新しく入る方には、別枠の「介護分野就職支援金貸付事業」があり、貸付上限は20万円以内、所定研修を修了して介護職員等として就職し、要件を満たして2年間勤務すると返済が全額免除されます(同出典/障害福祉分野にも同様の20万円の制度あり)。40万円(経験者向け)と20万円(未経験向け)は対象が異なるので、自分がどちらに当てはまるか確認しましょう。申請先は各都道府県の指定団体(福祉人材センター等)です。なお、制度の金額・要件は改定されることがあるため、申請前に必ず最新の公式案内をご確認ください。
7復職で後悔しない職場の見極め方:辞めた理由の1位は人間関係
復職を成功させる最大のコツは、「人間関係と教育体制」を事前に見極めることです。 給料や勤務時間が条件どおりでも、人間関係でつまずくと続けにくい、というのが現場のデータが示す現実だからです。
令和6年度 介護労働実態調査では、中途採用者が直前の介護関係の仕事を辞めた理由の最多は「職場の人間関係に問題があったため」で24.7%。さらにその内容として最も多かったのは「上司や先輩からの指導や言動がきつかったり、パワーハラスメントがあった」で、人間関係を理由とする人のうち49.1%を占めました(出典:公益財団法人介護労働安定センター「令和6年度 介護労働実態調査結果」/2025年7月28日公表)。つまり、ブランク復職者にとって「ブランクのある人に丁寧に教えてくれるか」「相談できる人がいるか」は、続けられるかどうかを左右する核心です。
だからこそ、求人票の文字だけでは分からない雰囲気を、見学・面接で自分の目と耳で確かめる価値があります。確認するとよい観点の例は次のとおりです。
- ブランクのある人向けの研修・OJTやマニュアルがあるか
- 教育担当(プリセプター)や相談できる先輩がつくか
- ハラスメント相談窓口があるか(事業主には防止措置の義務があります)
- 夜勤の有無・回数、介護機器の導入など身体的負担への配慮
人間関係で消耗しないための見極めは介護の人間関係に疲れた時の対処法、「きつい」と感じる理由の整理は介護がきついと感じる理由と乗り越え方もあわせてどうぞ。介護おしごとさーちでは、こうした観点で求人を自分で検索・比較できます(求人データは現在準備中で、検索ページは求人を自分で検索・比較から開けます/求人公開後に件数が増えます)。条件の整理に迷ったときは問い合わせフォームから運営に確認できます。特定の求人を私たちからあっせんすることはなく、選ぶのはいつもあなた自身です。
FAQ
このガイドのよくある質問
いいえ、介護福祉士の登録は定期更新がなく、取り消されない限り有効です。登録者数は約194万人(令和5年9月時点の目安。最新値は試験センター公表資料で要確認)と母数が大きく、ブランク中の有資格者も多数います(出典:社会福祉振興・試験センター 登録者数の状況)。さらに離職した介護福祉士等は福祉人材センターへの届出制度(社会福祉法に基づく努力義務)を使い、情報提供や研修支援を受けられます(出典:厚生労働省 介護福祉士の資格等取得者の届出制度/参照2026年6月)。
あります。各都道府県の福祉人材センターや自治体が、社会保険制度・コミュニケーションの講義から食事・移乗・着脱の実技までを無料で学べる再就職支援講習(Reスタート講座など)を実施しています(出典:厚生労働省 福祉人材確保対策/参照2026年6月)。内容・時期・定員・対象は自治体ごとに異なるため、お住まいの福祉人材センターで要確認です。あくまで目安として案内します。
はい。有資格(介護福祉士・実務者研修・初任者研修のいずれか)で1年以上の経験がある方が介護職員等として再就職する場合、再就職準備金として40万円以内を借りられ、所定の要件を満たして2年間勤務すると返済が全額免除されます(途中退職等で要件を満たさない場合は返済が必要になることがあります)。未経験から始める方は介護分野就職支援金20万円以内(同じく2年勤務で免除)が対象です(出典:厚生労働省 再就職準備金・就職支援金のご案内/参照2026年6月)。申請先は各都道府県の指定団体で、要件は最新の公式案内で要確認です。
人間関係と教育体制を事前に見極めるのがコツです。中途採用者が直前の仕事を辞めた理由の1位は人間関係(24.7%)で、その内容の最多はパワハラ等(該当者の49.1%)でした(出典:介護労働安定センター 令和6年度介護労働実態調査/2025年7月28日公表)。見学・面接で、ブランク向けの研修やOJTの有無、相談できる先輩、ハラスメント相談窓口、夜勤や介護機器の導入を確認しましょう。介護おしごとさーちでは自分で求人を検索・比較でき、特定の求人のあっせんはしません。
Sources
参照・確認する一次情報
制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。
- 公益財団法人 介護労働安定センター「令和6年度 介護労働実態調査結果(資料提供PDF)」
離職率12.4%(2職種計・2年連続低下)、辞めた理由1位=人間関係24.7%(うちパワハラ等49.1%)、悩み(人手不足49.1%/賃金35.3%/身体的負担24.6%)、不足感65.2%(前年度64.7%)、月給者の平均月収248,884円(+3.1%)。本記事の不安の裏づけと職場見極めの全データ源。2025年7月28日公表。調査結果掲載トップ(恒久URL): https://www.kaigo-center.or.jp/report/jittai/ (PDF直リンクが切れた場合はこちらから辿れます)。
- 厚生労働省「介護職として再就職をお考えの方へ(再就職準備金、就職支援金のご案内)」
再就職準備金=40万円以内・所定要件を満たし介護職員等として2年間勤務で全額免除(対象:介護福祉士/実務者研修/初任者研修のいずれか+1年以上の勤務経験。途中退職等で要件を満たさない場合は返済が必要)。未経験向けの介護分野就職支援金=20万円以内・2年勤務で免除。経済的支援パートの一次情報。参照2026年6月。
- 厚生労働省「介護福祉士の資格等取得者の届出制度」
離職した介護福祉士等が都道府県福祉人材センターへ届け出る制度(社会福祉法に基づく努力義務)。届出で情報提供・研修によるスキル維持向上・就業場所の紹介などの支援を継続して受けられる。資格は更新不要・有効である根拠と『自分で届け出る』導線の出典。参照2026年6月。
- 福祉のお仕事 届出サイト(福祉人材センター)
離職した介護福祉士等が実際に自分で届出する公式窓口。記事内の『自分で届け出て情報・研修支援を受けられる』導線の具体先(あっせんではなく自己申込み)。
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」
介護職員の必要数:2022年度215万人→2026年度約240万人(+約25万人)→2040年度約272万人(+約57万人)。復職の受け皿が大きいことを示す。2024年7月12日公表。
- 公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「資格登録 登録者数の状況」
介護福祉士登録者数 約194万人(令和5年9月時点の目安)。具体数値は当該ページからリンクされる登録者数のPDF資料(資格種類別・都道府県別の推移)に掲載。最新の正確値は同センター公表資料で要確認のため本記事では『約』『目安』扱い。有資格者母数が大きく、ブランク復職が一般的であることの背景。
- 厚生労働省「福祉人材確保対策」
福祉人材センター・復職支援研修(Reスタート講座等)・各種貸付制度を束ねる厚労省の総合入口。無料の学び直し講習の位置づけ確認に使用。具体講座は各都道府県で要確認。参照2026年6月。
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