先に結論からお伝えします。処遇改善加算は、職員の賃金を直接上げる原資を介護報酬から得られる仕組みであり、事業者にとっては「取得できる上位区分を取りに行くこと」と「取った加算を求人票・面接で見える化して伝えること」の2つができて初めて、採用と定着に役立ちます。加算を取得していても、それが求職者や在籍職員に伝わっていなければ、採用の力にはなりません。
そしていま(2026年6月時点)押さえるべき最大のポイントは、令和8年6月から処遇改善加算が拡充されたことです。令和9年度の改定を待たず、人材流出を防ぐ緊急対応として期中改定が行われました(厚生労働省 老健局長通知「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」老発0313第6号、令和8年3月13日。https://www.mhlw.go.jp/shogu-kaizen/download/6_tsuuchi_kihontekikangaekata_jimushoritejun.pdf )。背景には『「強い経済」を実現する総合経済対策』(令和7年11月21日閣議決定)があります。
拡充の中身は大きく3つです。①対象がこれまでの「介護職員のみ」から「介護従事者」へ拡大、②訪問看護・訪問リハビリ・居宅介護支援などこれまで対象外だったサービスが新たに対象に、③加算率の引き上げと新区分(Ⅰイ/Ⅰロ/Ⅱイ/Ⅱロ/Ⅲ/Ⅳ)の新設です(同通知 2〜3ページ)。本記事は、この令和8年6月以降の最新版を主軸に、令和6年6月の一本化は「沿革」として整理します。
本記事は事業者(採用・労務のご担当)向けの制度解説です。なお、求職者の方が「この加算で自分の給料がいくら増えるのか」を知りたい場合は、求職者向けの処遇改善加算で給料はいくら増えるで扱っていますので、そちらをご覧ください。
そして大前提として、本サイト「介護おしごとさーち」は求人の掲載・検索の場であり、特定の方への個別あっせんや人材紹介は行っていません。本記事はあくまで制度の解説であって、当サイトが特定の事業者の採用を推薦・あっせんするものでもありません。事業者の方は、加算で改善した処遇を求人票や問い合わせで誠実に発信していただく――その材料として本記事をお使いください(求人データは現在準備中です)。
