生活支援員が多く含まれる障害福祉サービスの福祉・介護職員(常勤)の平均給与額は、月327,720円です(厚生労働省、令和6年9月時点・賞与相当分を含む)。12か月分に置き換えると年収はおよそ390万円台が目安で、資格の有無・勤続年数・事業所の種類で差がつきます。

先に、要点をまとめます。

  • 平均月給:福祉・介護職員(常勤)の平均給与額は327,720円、賞与を除いた基本給等は253,710円です。生活支援員だけを切り出した統計ではない点に注意が必要です
  • 給料が上がる要因:同じ調査では、勤続10年以上は勤続1年より月約8万円高く、介護福祉士・社会福祉士などの資格を持つ人は資格なしの人より月5万円前後高い平均でした
  • 2026年の改定:2026年6月から、障害福祉サービスの処遇改善加算が拡充され、障害福祉の従事者全体を対象に月1万円の賃上げを目指す措置が始まっています

「生活支援員」という求人を見て、介護職と給料がどれくらい違うのか、この先上がる見込みがあるのかを知りたい方に向けて、公的統計の数字と求人票の見方を整理します。

生活支援員の給料はいくら?平均給与額を厚労省データで確認する

厚生労働省の調査によると、障害福祉サービスの福祉・介護職員(常勤の者)の平均給与額は327,720円(令和6年9月時点)です。

この数字は、厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」に基づくもので、福祉・介護職員等処遇改善加算を取得している事業所に在籍する常勤の福祉・介護職員を対象に集計されています。生活支援員は、生活介護・就労継続支援・施設入所支援などの事業所で「福祉・介護職員」として配置されることが多く、この統計の対象に含まれます。

項目令和5年9月令和6年9月差額
基本給等(常勤の者)240,850円253,710円+12,860円
平均給与額(基本給等+一時金)307,750円327,720円+19,970円

※「基本給等」は基本給(月額)に、通勤手当・扶養手当・超過労働給与額等を除いた毎月決まって支払われる手当を加えた金額です。「平均給与額」は、基本給(月額)と手当に、一時金(4〜9月支給額の1/6、賞与等を含む)を加えた金額です。

この統計は「福祉・介護職員」という区分の平均で、生活支援員だけを単独で集計した数字ではありません。 同じ区分には、施設によって「支援員」「介護員」「生活指導員」と呼ばれる職種も含まれます。生活支援員の仕事内容や配置される事業所の種類は、生活支援員の仕事内容とは|介護職との違い・資格要件・配置基準を解説で整理しています。

前年(令和5年9月)と比べると、平均給与額は19,970円増えています。同じ調査では、処遇改善加算による賃金改善の方法として、69.0%の事業所が「ベースアップ等により対応」、50.6%が「賞与等の引き上げまたは新設により対応」と回答しています(複数回答)。

生活支援員の年収はどれくらい?月給から計算する目安

平均給与額327,720円を12か月分にすると約393万円です。ただし一時金は半年分を月割りした値なので、冬の賞与の額によって実際の年収は上下します。

平均給与額に含まれる一時金は「4〜9月に支給された額の1/6」です。夏の賞与を月割りした値なので、12倍した約393万円は「冬の賞与も夏と同じ程度に出た場合」の目安になります。冬の賞与が少ない、または出ない事業所なら、年収はこれより低くなります。

賞与を除いた毎月の給与で考えると、基本給等253,710円の12か月分は約304万円です。求人票の年収を比べるときは、次の2つに分けて確認すると数字のずれを防げます。

  • 毎月の給与:基本給と、毎月決まって支払われる手当(処遇改善手当・夜勤手当など)
  • 賞与:年何回・何か月分か、前年の支給実績があるか

なお、額面の給与からは社会保険料と税金が差し引かれます。額面と手取りの差は、介護職の手取りはいくら?月給25万円なら約19〜20万円、額面との差と控除のしくみで試算しています。

生活支援員と介護職(高齢者介護)は給料が違う?

高齢者介護の介護職員(338,200円)と比べた差は1万円程度で、平均給与額の水準は大きく変わりません。

厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員(月給・常勤)の平均給与額は338,200円(令和6年9月時点)です。障害福祉サービスの福祉・介護職員(327,720円)との差は1万円程度にとどまります。

比較項目生活支援員(障害福祉サービス)介護職員(高齢者介護)
平均給与額(常勤・令和6年9月)327,720円338,200円
必須資格なし(無資格・未経験から働ける求人がある)なし(介護福祉士などの資格で給与差が出やすい)
上位の役職サービス管理責任者などサービス提供責任者・ケアマネジャーなど
主な勤務先生活介護・就労継続支援・施設入所支援など特養・老健・訪問介護・デイサービスなど

2つの調査は対象とする事業所の制度が違うため、差額は目安として見てください。高齢者介護で国家資格を取った場合の金額は、介護福祉士の年収はいくら?月給平均約35万円の内訳と経験年数別の目安で詳しく扱っています。

生活支援員の給料は上がる?勤続年数・資格・役職で見る差

同じ調査で、勤続10年以上は勤続1年より月約8.3万円、資格を持つ人は持たない人より月約5.1万円高い平均でした。サービス管理責任者の平均給与額は405,480円です。

勤続年数による差

福祉・介護職員(常勤)の平均給与額を勤続年数別に見ると、次のとおりです(令和6年9月)。

勤続年数平均給与額
1年(勤続1年〜1年11か月)290,680円
3年(勤続3年〜3年11か月)296,750円
5〜9年324,130円
10年以上373,370円

勤続1年と10年以上の差は82,690円です。勤続年数は同じ法人の施設・事業所での年数を通算して数えています。

保有資格による差

同じ調査では、保有資格別の平均給与額も公表されています(常勤・令和6年9月)。

保有資格平均給与額平均勤続年数
資格なし307,980円7.0年
資格あり(全体)359,400円9.3年
介護福祉士356,460円9.6年
社会福祉士382,370円8.9年
精神保健福祉士371,260円8.4年

生活支援員として働くのに必須の資格はありませんが、障害福祉の現場でも介護福祉士や社会福祉士を持つ人の平均給与額は高くなっています。資格を持つ人は平均勤続年数も長いため、この差がすべて資格によるものとは言えません。それでも、資格手当の有無や役職への登用条件を求人票で比べる理由にはなります。介護福祉士の受験資格の取り方は、介護福祉士の受験資格と取り方で確認できます。

役職による差

障害福祉サービスの事業所で個別支援計画の作成などを担うサービス管理責任者の平均給与額は、405,480円(令和6年9月)です。サービス管理責任者になるには、障害者の支援などの実務経験(必要な年数は資格や業務の内容で異なる)に加えて、都道府県が実施する研修の修了が必要です。生活支援員としての直接支援の経験は、この実務経験に数えられる場合があります。

2026年6月の処遇改善加算の拡充で、生活支援員の給料は変わる?

2026年6月から、障害福祉サービスの処遇改善加算の対象が「福祉・介護職員」から「障害福祉従事者」全体に広がり、加算率が引き上げられました。月1.0万円の賃上げを目指す措置です。

厚生労働省が2026年4月に報告した令和8年度の障害福祉サービス等報酬改定の内容は、次のとおりです。

  • 障害福祉従事者を対象に、幅広く月1.0万円(3.3%)の賃上げを実現する措置
  • 生産性向上や協働化に取り組む事業者の福祉・介護職員を対象に、月0.3万円(1.0%)の上乗せ措置
  • 合計で、福祉・介護職員について最大月1.9万円(6.3%)の賃上げ(定期昇給0.6万円込み)を見込む

これは国が報酬(事業所の収入)の側で用意した措置で、一人ひとりの給料がいくら上がるかは、事業所が加算を取得するか、どう配分するかで決まります。加算を取得していない事業所や、上乗せ区分の要件を満たしていない事業所では、この金額どおりにはなりません。

処遇改善加算の仕組みと求人票での見方は、高齢者介護の記事ですが処遇改善加算が2026年6月に拡充。介護の給料は求人票のどこを見ればわかる?が参考になります。

生活支援員の給料は事業所の種類でどう変わる?

同じ「生活支援員」でも、配置される事業所の種類によって、夜勤の有無や処遇改善加算の取得率が違います。

生活支援員が配置される主な事業所は、生活介護事業所・就労継続支援事業所(A型・B型)・障害者支援施設(施設入所支援)の3つに大きく分かれます。

生活介護・就労継続支援A型B型・障害者支援施設の3つの事業所ごとに、処遇改善加算の取得率、勤務時間帯、給与の傾向を比べた図

  • 生活介護事業所:日中活動が中心です。処遇改善加算の取得率は94.8%で、全体平均の87.0%より高くなっています。日勤中心の勤務が多い事業所です
  • 就労継続支援A型・B型:生産活動・作業の支援が中心です。加算の取得率はA型86.2%、B型87.3%です。A型の最低賃金やB型の工賃は利用者に支払われるもので、支援員の給与とは別に事業所の賃金規程で決まります
  • 障害者支援施設(施設入所支援):加算の取得率は97.5%です。夜間の生活支援も担うため、夜勤に入る場合は夜勤手当が加わります

日中活動のみの事業所と、入所施設で夜勤を担う場合とでは、同じ職種名でも毎月の額面が変わります。求人票では、職種名と一緒に「サービスの種類」と「夜勤の有無・回数・手当額」を確認してください。障害福祉サービスの種類ごとの働き方は、障害福祉サービスで働く介護職の仕事で比べています。

無資格・未経験から始めたときの給料は?

生活支援員には必須の資格がないため、無資格・未経験から応募できる求人があります。資格を持たない職員の平均給与額は307,980円で、全体平均より約2万円低い水準です。

資格を持たない職員の平均勤続年数は7.0年で、入職したばかりの方はこれより低い額から始まることが一般的です。未経験から入る場合は、次の3点を求人票と面接で確認しておくと、入職後の見通しが立てやすくなります。

  • 資格取得の支援制度(受講費用の補助や勤務扱いでの受講)があるか
  • 資格手当の金額と、対象になる資格
  • 業務の中心が身体介護か、生産活動・創作活動の支援か

「資格不問」という言葉だけで応募先を決めず、1日の流れと業務の比重を確かめてから選ぶと、入職後のギャップを減らせます。

求人票で給料を比べるときの注意点は?

月給欄の金額が「賞与込みの平均」と比べられる数字かどうか、処遇改善加算の分がどこに入っているかを確認します。

比較でつまずきやすいのは、次の3つです。

  • 平均給与額と求人票の月給を直接比べる:この記事の327,720円は一時金を含む平均で、求人票の「月給」は多くの場合、賞与を含まない毎月の額です。比べるなら基本給等の253,710円が近い数字になります
  • 処遇改善加算の配分を確認しない:加算分が毎月の手当で支払われるのか、賞与や一時金に上乗せされるのかで、月給欄の見え方が変わります
  • 雇用形態の違いを見落とす:常勤(正社員)は月給制で賞与・昇給がある場合が多く、非常勤(パート)は時給制が中心で、賞与・昇給の有無は事業所ごとに異なります。雇用形態ごとの違いは介護職の雇用形態を比較:正社員・契約社員・パートの給与・待遇・福利厚生で整理しています

まとめ:平均の数字は、資格・勤続・事業所の種類に分けて見る

この記事で整理した判断材料は次の3つです。

  • 生活支援員が多く含まれる福祉・介護職員(常勤)の平均給与額は327,720円で、年収にするとおよそ390万円台が目安。賞与を除く毎月の給与は253,710円が平均
  • 勤続年数・保有資格・役職で平均給与額に差があり、2026年6月からは処遇改善加算の拡充による賃上げの措置も始まっている
  • 同じ職種名でも、事業所の種類と夜勤の有無で毎月の額面は変わる

気になる求人票があれば、まず「サービスの種類」と「月給に賞与が含まれるか」の2点を確認してみてください。条件を絞り込んで介護分野の求人を比べたい方は、介護おしごとさーちの求人検索から施設形態や給与条件で探せます。

参考にした一次情報

  • 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果の概要」:平均給与額・基本給等(職種別)、勤続年数別・保有資格別の平均給与額、処遇改善加算の取得状況(サービス種類別)、賃金改善の方法
  • 厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」:介護職員の平均給与額
  • 厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部ほか「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について(報告)」(2026年4月):処遇改善加算の対象拡大と賃上げ措置