働きながら介護福祉士を目指している方にとって、年に1回の国家試験は大きな節目です。「今年こそ受けよう」と思っていたのに、気づいたら申込期限が過ぎていた——こうした「申し込み忘れ」で受験が1年先送りになるのは、意外とよくある話です。試験本番は毎年1月末ですが、申込の締切はその約5か月前、夏のうちにやってくるからです。

先に、要点をまとめます。

  • 第39回介護福祉士国家試験(筆記試験は2027年1月31日)の受験申込は2026年9月2日(水)まで。今回から郵送が廃止され、インターネット申込に移行しました
  • 受験手数料は20,510円。クレジットカードまたはコンビニエンスストアでの決済で、申込期間内に支払いまで完了させる必要があります
  • 第38回から始まったパート合格制度により、総得点で不合格になっても、基準を満たしたパートは翌年・翌々年の試験で受験が免除されます

この記事では、これから申し込む方・再挑戦を考えている方に向けて、第39回試験のスケジュールと申込方法の変更点、パート合格制度のしくみを、試験を実施する公益財団法人 社会福祉振興・試験センターの公表内容をもとに整理します。ただし、パート合格制度には申込のときに誤解しやすいポイントが1つあります。これは記事の後半で詳しく説明します。

第39回介護福祉士国家試験は、いつ行われる?

筆記試験は2027年1月31日(日)、受験申込の受付は2026年7月22日から9月2日(水)までです。合格発表は2027年3月23日に試験センターのホームページで行われます。

社会福祉振興・試験センターが公表している第39回試験(令和8年度)のスケジュールは、次のとおりです。

第39回介護福祉士国家試験のスケジュール。受験申込の受付は2026年7月22日から9月2日まで、筆記試験は2027年1月31日、合格発表は2027年3月23日。記事公開時点の8月中旬から申込締切までは約3週間であることを示すタイムライン図

  • 受験申込の受付: 2026年7月22日(水)〜9月2日(水)
  • 筆記試験: 2027年1月31日(日)
  • 合格発表: 2027年3月23日にホームページ掲載(結果通知の発送は3月26日)

注意したいのは、申込の締切から試験日まで約5か月の間が空くことです。「試験は来年1月だからまだ先」と感じていても、申込だけは夏の時点で締め切られます。この記事の公開時点(2026年8月11日)で、締切の9月2日までは残り約3週間です。受験するかどうか迷っている段階でも、申込に必要なものの確認だけは先に始めておくと、直前で慌てずに済みます。

受験手数料は20,510円です。第38回の18,380円から改定されているため、以前に受験したことがある方は、金額が変わっている点に注意してください。

なお、受験資格にはいくつかのルートがあります。働きながら目指す方の代表的なルートである実務経験ルートでは、「3年以上(従業期間1,095日以上かつ従事日数540日以上)介護等の業務に従事」し、実務者研修を修了していることが条件とされています。自分がどのルートに当てはまるかあいまいな方は、介護福祉士の受験資格と取り方で全体像を確認できます。実務者研修をこれから受ける方は、実務者研修の費用と取得期間もあわせて参考にしてください。

申込方法はどう変わった?ネット申込の流れと必要なもの

第39回から郵送での申込が廃止され、試験センターのホームページにある「インターネット受験申し込み」から手続きする方式に変わりました。スマートフォンやパソコンから申込が完結します。

これまでは紙の「受験の手引」を取り寄せて書類を郵送する方式でしたが、第39回からはウェブ上で申込情報を入力し、顔写真のデータや必要書類をアップロードして提出する形になりました。受験手数料の支払いも、クレジットカード決済またはコンビニエンスストア決済から選びます。おおまかな流れは次のとおりです。

  1. 試験センターのホームページから、インターネット受験申し込みのページに進む
  2. 申込情報を入力し、顔写真データと必要書類をアップロードする
  3. クレジットカードまたはコンビニエンスストアで受験手数料を支払う
  4. 申込期間内(9月2日まで)にすべての手続きを完了させる

郵送の手間がなくなった一方で、初めての方がつまずきやすいポイントもあります。よくあるのは次の3つです。

  • 実務経験証明書の準備に時間がかかる: 実務経験ルートで受験する場合、勤務先の事業者に実務経験証明書の発行を依頼する必要があります。発行までに日数がかかることがあり、締切間際に依頼すると間に合わないおそれがあります。複数の職場で経験を積んできた方は、以前の勤務先にも依頼が必要になるため、さらに余裕を見ておきたいところです。
  • 顔写真データの規格: アップロードする顔写真には規格が定められています。規格に合わず差し戻されると時間をロスするため、試験センターの案内に沿ったものを準備しましょう。
  • 支払いまで済ませて申込完了: 申込情報の入力だけでは手続きは終わりません。期間内に受験手数料の支払いまで完了させる必要があります。

つまずきの多くは、「締切の直前に手続きを始めたこと」が原因です。手続きそのものは難しくないので、必要書類の確認と証明書の発行依頼だけでも、早めに動いておくことをおすすめします。

パート合格制度とは、どんなしくみ?

第38回試験(2026年1月実施)から導入された、試験科目を3つのパートに分けて、パートごとに合否を判定するしくみです。総得点で不合格になっても、基準を満たしたパートは翌年・翌々年の試験で受験が免除されます。

従来は、1回の試験で全体の合計点が基準に届かなければ、翌年もう一度すべての科目を受け直す必要がありました。パート合格制度が導入されてからは、不合格だった場合でも「どのパートの基準を満たしていたか」が記録され、合格したパートは次の2回分の試験(翌年・翌々年)で免除の対象になります。

パート合格制度のしくみ。筆記試験の科目を3つのパートに分けてパートごとに合否を判定し、全パート合格なら試験合格、一部のパートのみ合格の場合は合格パートが翌年・翌々年まで受験免除となり、不合格パートに集中して再挑戦できることを示す図

働きながら学習時間を確保しにくい介護職にとって、「次は不合格だったパートの学習に集中すればよい」という形で再挑戦の負担が軽くなったのは、大きな変化といえます。夜勤や変則シフトの合間に少しずつ勉強を積み上げてきた人ほど、1回の試験結果がゼロに戻らないこの仕組みの恩恵は大きいはずです。

制度が導入された第38回試験の結果は、受験者数78,469人・合格者数54,987人・合格率70.1%でした(厚生労働省発表)。合格基準は総得点125点に対して64点以上です。合格率の数字だけを見ると例年より低めでしたが、総得点では届かなかった人もパート単位で「合格」を持ち越せるようになった、というのがこの制度の要点です。

パート合格の申込で、気をつけることは?

第39回の申込で「不合格パートのみの受験」を選べるのは、第38回試験でパート合格に該当した方だけです。初めて受験する方や、前回の受験が第37回以前の方は、全パートを受験します。

試験センターの案内では、申込時の扱いが次のように整理されています。

  • 第38回でパート合格に該当した方: 「合格済みのパートを含めた全パートの受験」か「不合格パートのみの受験」かを、申込のときに選択します
  • 初めて受験する方・第38回で合格パートがなかった方・前回の受験が第37回以前の方: 全パートの受験となります

冒頭で触れた「誤解しやすいポイント」がここです。パート合格制度は第38回から始まった制度なので、それより前(第37回以前)に受験して不合格だった方には、免除の対象となる「合格パート」がそもそも存在しません。「前に受けたとき手応えのあった科目は免除されるはず」と思い込んで学習範囲を狭めてしまうと、本番で思わぬ失点につながります。また、不合格パートが複数ある場合に、そのうちの一部のパートだけを選んで受験することはできない、とされています。

第38回を受験した方は、合格発表のときの通知を手元に置いて、自分がどのパートに合格していたかを確かめてから申込画面に進むのが確実です。数年前に受験したことがある方は、免除なしの全パート受験を前提に学習計画を立てましょう。

働きながら受験するなら、これから何を準備する?

申込を済ませたら、試験日(2027年1月31日)までの約5か月をどう使うかを決めましょう。シフト勤務との両立は、詰め込みよりも「続けられるペース配分」が鍵になります。

介護の現場で働きながらの受験勉強は、まとまった時間を取りにくいのが現実です。月ごとのシフトが出てから学習時間を組む人が多いと思いますが、5か月という期間を「9〜10月は苦手分野の洗い出し」「11〜12月は問題演習」「1月は総仕上げ」のように大きく区切っておくと、シフトが不規則でも進み具合を確かめやすくなります。夜勤のある職場で働いている方は、夜勤明けの睡眠と学習時間のバランスも考えどころです。体調を崩しては元も子もないので、夜勤明けの生活リズムの整え方も参考に、無理のない計画を立ててください。

また、資格の取得はその後の働き方にも関わってきます。介護福祉士の資格は、資格手当の対象になったり、処遇改善加算の給与への配分で考慮されたりと、待遇面に反映される職場が多くあります。資格を取ってから職場を変えることを視野に入れている方は、介護職の転職タイミングの見極め方で、試験や合格発表の時期と転職活動の時期の重ね方を考えておくのもよいでしょう。

これから介護の仕事を始めて、実務経験ルートで介護福祉士を目指したいという方もいるはずです。実務経験は無資格・未経験からでも積み上げられます。最初の職場選びで迷ったら、未経験から介護職に転職するときの求人の見分け方を参考にしてください。

まとめ:この記事で持ち帰れること

ここまで読んでいただいたことで、次の3点を判断できるようになったはずです。

  • 第39回試験を受けるために、いつまでに・何をすればよいか(9月2日締切のインターネット申込と、時間のかかる必要書類)
  • パート合格制度で自分が免除の対象になるかどうかの判断基準(第38回でのパート合格の有無)
  • 申込から試験日までの約5か月を、シフト勤務と両立しながらどう区切って使うか

最後に、今日できる小さな一歩をひとつ。スマートフォンで試験センターの受験申込ページを開いて、必要書類の一覧に目を通し、手元にまだないものをメモしてみてください。実務経験証明書のように、勤務先への依頼が必要なものが見つかったら、それが分かるだけでも今日確認しておく価値があります。

介護おしごとさーちでは、都道府県・雇用形態・資格などの条件で介護の求人を検索し、一覧で見比べることができます。資格取得後の働き方を考える材料として、求人検索から今の求人の相場感を眺めてみるのも一つの方法です。

よくある疑問

第39回の申込は、郵送でもできますか? 第39回からインターネット申込に移行しています。手続きの詳細や例外的な取り扱いは、社会福祉振興・試験センターの案内で最新の情報を確認してください。

パート合格した科目の免除は、いつまで有効ですか? 合格したパートは、翌年・翌々年の試験まで受験が免除されます。第38回でパート合格に該当した方であれば、第39回・第40回の試験が対象です。

受験手数料はいくらですか? 第39回の受験手数料は20,510円です。クレジットカード決済またはコンビニエンスストア決済で、申込期間内に支払いを完了する必要があります。

実務経験が3年にわずかに足りない場合は、受験できますか? 実務経験ルートの条件は、従業期間3年以上(1,095日以上)かつ従事日数540日以上です。見込みでの申込の取り扱いなど詳細は、試験センターの受験資格の案内で確認してください。受験資格の全体像は介護福祉士の受験資格と取り方でも整理しています。

参考にした一次情報

  • 公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「令和8年度 第39回介護福祉士国家試験(予定)受験手続き」: 受験申込の受付期間・筆記試験日・合格発表日・受験手数料・インターネット申込への移行
  • 公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「パート合格(合格パートの受験免除)のお知らせ」: パート合格のしくみ・免除の有効期間・第39回申込時の選択条件
  • 厚生労働省 第38回介護福祉士国家試験合格発表(2026年3月): 受験者数・合格者数・合格率・合格基準