介護職の求人票には「昇給あり」という記載がよく見られます。しかし、この一言だけでは「毎年必ず上がるのか」「上がるとしたらいくらか」「何を満たせば上がるのか」がまったくわかりません。
「昇給あり」という表記は、勤続年数に応じて自動的に数百円上がる仕組みを指す場合もあれば、人事評価の結果次第で上がったり据え置きになったりする仕組みを指す場合もあります。さらに「昇給あり(実績による)」のように、実施が保証されていない書き方をしている求人もあります。同じ「昇給あり」でも、事業所によって制度の中身はかなり異なるのが実情です。
この背景には、そもそも労働基準法において昇給の実施そのものが事業者の義務ではないという事情があります。就業規則の記載事項を定めた労働基準法第89条では、賃金の決定・計算・支払方法や昇給に関する事項を「定めをした場合には記載しなければならない事項」として扱っています(出典:厚生労働省「確かめよう労働条件」就業規則Q&A/2026年7月時点で内容確認)。つまり、昇給の仕組みを設けるかどうか自体は事業者の裁量であり、「定めた場合はルールを明文化する」という位置づけです。求人票の一文だけで判断せず、その裏にある制度を確認する視点が欠かせません。
次の章からは、介護職の昇給に関わる代表的な制度的背景(処遇改善加算のキャリアパス要件)と、実際の求人票・面接での確認ポイントを順に見ていきます。なお本サービスは求人の掲載・検索の場を提供するものであり、特定の求人へのあっせん・ご紹介を行うものではありません。気になる条件に一致する求人を探す際の参考としてご活用ください。
