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介護おしごとさーち
採用・事業者向け

応募が集まる介護求人票の書き方

作成日
2026年6月27日
最終更新日
2026年6月27日

介護の求人票の書き方を、2024年4月施行の改正職業安定法で追加された3項目を含む法令必須記載と、応募が集まる賃金・休暇・人間関係の書き方の両輪で解説。固定残業代の明示3要件(時間外・休日・深夜労働を含む)や厚労省の一次データ(介護関係職種の有効求人倍率3.97倍ほか)も出典付きで整理します。

1結論:応募が集まる介護求人票の書き方は「法令必須項目を漏れなく具体的に」と「不安への回答」の両輪

先に結論からお伝えします。応募が集まる介護求人票の書き方は、(1)法令で義務づけられた労働条件を漏れなく・具体的に明示したうえで、(2)求職者が抱える不安(賃金・人間関係・人手不足・未経験)に数字と具体例で答える、この両輪で組み立てることです。 体裁を整えるだけでなく、読んだ人が「ここなら働くイメージが持てる」と感じられるかどうかが分かれ目になります。

なぜ書き方がそこまで効くのか。介護関係職種の有効求人倍率は令和7年3月時点(月別・原数値)で全国平均3.97倍(全職業計1.16倍)という売り手市場で、求職者1人に対して約4件の求人がある状態です(厚生労働省『介護人材確保の現状について』第1回社会保障審議会福祉部会 福祉人材確保専門委員会 資料5、令和7年5月9日。出典は職業安定業務統計、令和7年3月時点)。求人がこれだけ余っている環境では、求職者は複数の求人票を並べて比較します。同じ募集でも、書き方ひとつで「比較の土俵に乗るか・スルーされるか」が変わるのが現実です。

この記事は採用・事業者向けカテゴリの中で、「求人票に何をどう書くか」の手順に絞った内容です。介護職員を採用できない構造の全体像や、採用媒体の比較・離職防止の各論は、親記事や関連記事に整理しています。求人票の中身づくりに集中して読み進めてください。

(前提のご案内:本サイト「介護おしごとさーち」は求人情報の掲載・検索のみを提供するサービスです。特定の方への個別あっせんや人材の紹介は行いません。求職者の方は、気になる求人をご自身で検索・比較でき、不明点は問い合わせフォームから運営に確認できます。求人データは現在準備中です。本記事は採用ご担当者が求人票を作成する際の参考情報としてまとめたものです。)

2【法令の前提】2024年4月から求人票の明示項目が3つ増えた

求人票の書き方を考える前に、まず外せない法令の前提を押さえます。2024年(令和6年)4月1日施行の改正職業安定法施行規則(令和5年厚生労働省令第89号)により、労働者の募集時・求人申込み時に明示すべき労働条件として、次の3項目が追加されました(厚生労働省『令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます』)。

  1. 従事すべき業務の変更の範囲
  2. 就業の場所の変更の範囲
  3. 有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間または更新回数の上限を含む)

ここでのポイントは「変更の範囲」という考え方です。厚労省は「変更の範囲とは、雇入れ直後にとどまらず、将来の配置転換など今後の見込みも含めた、締結する労働契約の期間中における変更の範囲のことをいいます」と説明しています(厚生労働省『労働条件の明示|確かめよう労働条件』)。

つまり介護の求人票では、入職直後の業務・勤務地だけでなく、将来どこまで配置転換やサービス種別の異動があり得るかまで書く必要があります。たとえば業務なら「入職時:特別養護老人ホームでの身体介護・生活援助。変更の範囲:法人内の介護サービス全般」、就業場所なら「入職時:〇〇事業所。変更の範囲:法人が運営する県内の各事業所」といった書き方です。「変更なし」なら「変更なし」と明記すること自体が、配置転換への不安を持つ求職者に対しては安心材料になります。

3介護求人票に必ず書くべき必須記載項目の一覧

求人票(募集要項)に最低限明示しなければならない労働条件は、改正後のリーフレットの記載例として次のとおり整理されています(厚生労働省『2024(令和6)年4月1日施行 改正職業安定法施行規則 募集時などに明示すべき労働条件が追加されます』LL050628)。チェックリストとしてお使いください。

  • 業務内容(従事すべき業務/その変更の範囲)
  • 契約期間(期間の定めの有無、有期なら更新の有無・更新上限)
  • 試用期間(有無と期間、条件が異なる場合はその内容)
  • 就業場所(場所/その変更の範囲)
  • 就業時間(始業・終業時刻、シフト制ならパターン)
  • 休憩時間
  • 休日(週休・年間休日数など)
  • 時間外労働(所定外労働の有無・見込み)
  • 賃金(基本給・諸手当・賞与・支払方法など)
  • 加入保険(雇用・労災・厚生年金・健康保険)
  • 受動喫煙防止措置(屋内禁煙、喫煙室の有無など)
  • 募集者の氏名または名称

なお派遣労働者として雇用する場合は、雇用形態に「派遣労働者」と示す必要があります(同リーフレット)。

これらは労働基準法第15条の絶対的明示事項(契約期間/有期契約の更新基準/就業場所・業務とその変更の範囲/労働時間・休憩・休日・休暇/賃金/退職・解雇に関する事項)とも対応しています(厚生労働省『労働条件の明示|確かめよう労働条件』)。求人票は「採用後に渡す労働条件通知書」と地続きだと考え、募集段階から具体的に書いておくと、入職後のミスマッチや「話が違う」というトラブルを防げます。

4求人票の賃金欄の落とし穴:固定残業代は3点すべての明示が必須

求人票で最もトラブルになりやすいのが賃金欄、なかでも固定残業代(みなし残業代)の書き方です。固定残業代制を採用する場合は、求人票・募集要項に次の3点すべてを明示しなければなりません(厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク『固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします』LL281209派若01)。

  1. 固定残業代を除いた基本給の額
  2. 固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法(=固定残業代に相当する労働時間数と金額を明らかにする計算方法。例:「□□手当:○時間分の時間外手当として△△円を支給」)
  3. 固定残業時間を超える時間外労働、休日労働および深夜労働に対して、割増賃金を追加で支払う旨

注意したいのは要件3です。一次資料の正式な要件は「時間外労働」だけでなく休日労働・深夜労働も含む範囲で、超過分への追加支給を明示することとされています。深夜・休日にも固定残業代制を採用している場合は、その範囲まで明示しないと明示漏れになります。

逆に言えば、「月給25万円(固定残業代含む)」のように、いくらが基本給でいくらが残業代なのか分からない書き方は不可です。求職者からすれば、額面が同じでも基本給がいくらかで賞与や時間単価が変わるため、内訳のない求人票は不信感につながります。

これは集客の観点でも重要です。令和6年度の介護労働実態調査では、在職者の「労働条件・仕事の負担についての悩み・不安・不満等」の上位に「仕事内容のわりに賃金が低い」35.3%が入っています(公益財団法人 介護労働安定センター『令和6年度 介護労働実態調査結果の概要』令和7年7月28日公表)。賃金そのものだけでなく「分かりにくさ」が不満を生みます。内訳を正直に開示することが、結果的に賃金への納得感を高め、応募のハードルを下げます。

5データで選ぶ、求人票に厚く書く魅力:賃金・休暇・人間関係

必須項目を満たしたうえで、限られた求人票の紙面に「何を厚く書くか」。ここは感覚ではなく、事業者が実際に効果を実感した方策から逆算するのが近道です。

令和6年度の介護労働実態調査によると、採用に最も効果があった方策は「賃金水準の向上」(効果があった36.0%)、職場定着に最も効果があった方策は「有給休暇等の各種休暇の取得や勤務日時の変更をしやすい職場づくり」(実施74.7%、効果があった34.4%)でした(介護労働安定センター『令和6年度 介護労働実態調査結果の概要』令和7年7月28日公表)。

これを求人票に翻訳すると、書くべき魅力は次のようになります。

  • 賃金は具体的な数字とモデルで:月給の幅だけでなく、各種手当・賞与・処遇改善加算の反映・勤続別のモデル月収/年収を示すと、求職者が将来像を描けます。ただしモデルは実在する勤続者の実額に基づいて提示し、採用目的で実態より良く見せる「盛り」は避けてください(後述のとおり、誇大・実態と異なる記載は法令上も不可です)。参考として、業界平均の水準を見ると、加算取得事業所の介護職員(月給・常勤)の平均給与額(基本給+手当+一時金の月額換算)は令和6年9月時点で338,200円(前年比+13,960円)、処遇改善加算(新加算)の取得率は95.5%でした(厚生労働省『令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要』調査時期:令和6年10月、給与は令和6年9月分)。これはあくまで業界平均なので、自社の実額に置き換えて記載してください。
  • 休暇・シフトの取りやすさを具体的に:年間休日数、有給取得率、希望休の出し方、急な休みへの対応などを書くと、定着に効く要素がそのまま応募の決め手になります。
  • 人間関係・職場の雰囲気への配慮:中途採用者が前職を辞めた理由の最多は「職場の人間関係に問題があったため」24.7%です(同調査)。教育体制、相談相手の有無、チームの年齢構成などを具体的に書くと、人間関係の不安を持つ求職者に届きます。

どの項目も、抽象的な「アットホームな職場です」ではなく、数字・制度・運用の事実で書くことが信頼につながります。

6求人票の掲載タイミングと禁止される書き方:誇大・実態と異なる記載はNG

最後に、求人票を出すときの実務上の注意点を2つ。

まず明示のタイミングです。労働条件は、原則として面接など求職者と最初に接触する時点までに、すべて明示する必要があります(厚生労働省『2024(令和6)年4月1日施行 改正職業安定法施行規則』リーフレット)。求人広告のスペースが足りないなどやむを得ない場合は「詳細は面談時にお伝えします」等と付したうえで一部を別途明示することも可能ですが、その場合も最初の接触時点までに全条件を示すのが原則です。また、当初明示した労働条件が変更になる場合は、速やかにその変更内容を明示しなければなりません。

次に禁止される書き方です。誇大な表現や、実態と異なる労働条件の記載は避けてください。前のセクションで触れたモデル年収も同様で、実態と乖離した好条件モデルを掲げることは、職業安定法上の問題(虚偽・誇大な労働条件の明示)につながり得ます。求人票の内容と実際の労働条件が食い違えば、ハローワーク等への申出・苦情の原因になり、結果として採用力をかえって落とします。本記事でも「必ず採用できる」「絶対に定着する」といった断定は避けていますが、求人票でも同様に、できることをできる範囲で、誠実に書くことが信頼の土台になります。

求職者の側から見れば、求人票の質(具体性と読みやすさ)はチャネルを問わず効きます。 介護おしごとさーちは、求職者が自分で検索・比較でき、気になる点は問い合わせフォームから運営に確認できる導線づくりに徹しています。掲載する求人票そのものが具体的で誠実であることが、最終的に応募という結果につながります。制度や統計は更新されるため、最新の正確な数値は各公式・e-Statでもご確認ください。

FAQ

このガイドのよくある質問

A.

結論として、業務内容(変更の範囲を含む)/契約期間(更新の有無・上限)/試用期間/就業場所(変更の範囲を含む)/就業時間・休憩・休日/時間外労働/賃金/加入保険(雇用・労災・厚生年金・健康保険)/受動喫煙防止措置/募集者名が必須です。派遣として雇う場合は雇用形態に「派遣労働者」と明示します(厚生労働省『2024(令和6)年4月1日施行 改正職業安定法施行規則』LL050628)。これらは労働基準法第15条の絶対的明示事項とも対応しています。

A.

結論として、明示すべき項目が3つ追加されました。(1)従事すべき業務の変更の範囲、(2)就業の場所の変更の範囲、(3)有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間または更新回数の上限を含む)です(改正職業安定法施行規則=令和5年厚生労働省令第89号、令和6年4月1日施行)。「変更の範囲」は雇入れ直後だけでなく、将来の配置転換など今後の見込みも含めた契約期間中の範囲を指します(厚生労働省『令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます』『労働条件の明示|確かめよう労働条件』)。

A.

結論として、3点すべての明示が必須です。(1)固定残業代を除いた基本給の額、(2)固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法(例:○時間分の時間外手当として△△円を支給)、(3)固定残業時間を超える時間外労働・休日労働・深夜労働に対しては割増賃金を追加で支給すること、を求人票に記載します。要件(3)は時間外労働だけでなく休日・深夜労働も含む範囲で明示する点に注意してください。「月給25万円(固定残業代含む)」のように内訳が分からない書き方は不可です(厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク『固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします』LL281209派若01)。

A.

結論として、額面だけでなく内訳とモデルを具体的に示すことです。基本給・各種手当・賞与・処遇改善加算の反映を分けて書き、勤続年数別のモデル月収/年収を添えると、求職者が将来像を描けます。ただしモデルは実在する勤続者の実額に基づき、盛らないことが前提です。参考として、業界平均では加算取得事業所の介護職員(月給・常勤)の平均給与額(基本給+手当+一時金の月額換算)は令和6年9月時点で338,200円(前年比+13,960円)、処遇改善加算の取得率は95.5%でした(厚生労働省『令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要』)。自社の実額に置き換えて記載してください。

A.

結論として、抽象的な表現ではなく具体的な制度・運用の事実で書くことです。中途採用者が前職を辞めた理由の最多は「職場の人間関係に問題があったため」24.7%(公益財団法人 介護労働安定センター『令和6年度 介護労働実態調査結果の概要』令和7年7月28日公表)。教育体制、相談相手やメンターの有無、チームの年齢構成、休暇の取りやすさなどを具体的に書くと、人間関係の不安を持つ求職者に届きます。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。

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