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介護おしごとさーち
転職・応募の進め方

介護職の職務経歴書の書き方|経験の棚卸しから構成・数字の使い方まで

作成日
2026年7月7日
最終更新日
2026年7月8日

介護職の職務経歴書の書き方を解説。施設種別・利用者層・担当業務・役割という経験の棚卸しの型、職務要約から自己PRまでの基本構成、数字で伝える工夫、未経験分野への応募や転職回数が多い場合の書き方を紹介します。

1結論:職務経歴書は「介護経験の解像度」を伝える書類

履歴書が「いつ・どこで働いたか」を伝える書類だとすれば、職務経歴書は「そこで何を・どのように担ってきたか」を伝える書類です。介護職の採用において、この違いは決定的に重要です。同じ「介護職員として3年勤務」でも、特別養護老人ホームで要介護度の高い方の身体介護を担ってきた3年と、デイサービスで自立度の高い方のレクリエーションと送迎を担ってきた3年とでは、持っている経験がまったく異なるからです。

採用する事業者が知りたいのは、まさにこの解像度です。どんな種別の施設・事業所で、どんな状態の利用者を、何人くらいの体制で、どんな役割で支えてきたのか。夜勤の経験は、認知症ケアの経験は、看取りへの関わりは、委員会や指導の役割は——これらが具体的に書かれた職務経歴書は、面接前から「この人にどの業務を任せられるか」をイメージさせることができます。

提出を求められるのは正社員採用や経験者採用の場面が中心ですが、求められない応募でも、A4一枚にまとめて添えると、経験を整理して伝える姿勢そのものが評価につながることがあります。

この記事では、書き始める前の「経験の棚卸し」の型、職務経歴書の基本構成、介護職ならではの数字と具体性の出し方、未経験分野への応募や転職回数が多い場合の書き方まで、順に解説します。パソコンでの作成(A4で1〜2枚)が一般的ですが、内容の考え方は手書きでも同じです。

2書く前の準備:介護経験の棚卸しは「4つの軸」で

介護経験の棚卸しの4つの軸(職場のプロフィール、担当業務、役割・実績、身につけた強み)を整理した図

職務経歴書がうまく書けない原因の多くは、書き方ではなく材料の不足です。まず、これまでの職場ごとに、次の4つの軸で経験を棚卸ししてみてください。

軸1:職場のプロフィール。施設・事業所の種別(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、デイサービス、訪問介護など)、規模(入所定員・利用者数)、利用者層(平均的な介護度、認知症の方の割合など、分かる範囲で)。運営法人の種類(社会福祉法人・医療法人・株式会社)も、職場文化の情報として意味を持ちます。

軸2:担当業務。身体介護(食事・入浴・排泄・移乗)、生活援助、レクリエーション、記録(使っていた記録システム名も)、送迎、夜勤の有無と頻度、看取りケアへの関わり、医療職との連携など、実際に担当していた業務を具体的に挙げます。

軸3:役割と実績。フロアリーダー、ユニットリーダー、新人指導・実習生指導、委員会活動(事故防止・感染対策・行事など)、会議での役割、改善の取り組み(記録の様式を見直した、レクの企画を立ち上げた等)。「役職」がなくても「役割」は必ずあります。

軸4:身につけた強み。認知症の方とのコミュニケーション、家族対応、緊急時対応の経験、多職種連携など、次の職場でも使える力を言葉にします。

この棚卸しメモは、職務経歴書だけでなく、面接での受け答えや志望動機づくりの土台にもなります。時間をかける価値のある工程です。

3基本構成:職務要約・職務経歴・活かせる経験・資格・自己PR

職務経歴書に決まった書式はありませんが、介護職では次の構成が読みやすく、実務的です。

1. 職務要約(3〜5行)。冒頭に、経歴全体の要約を置きます。「介護職員として通算○年、特別養護老人ホームとデイサービスで勤務。身体介護全般と夜勤業務を経験し、直近2年はフロアリーダーとして新人指導とシフト調整を担当」のように、通算年数・経験した種別・中心業務・直近の役割をまとめます。採用担当者が最初に読む部分であり、ここで全体像が伝われば、続く詳細も読んでもらいやすくなります。

2. 職務経歴(職場ごと)。新しい職場から順に(または古い順に。どちらでも構いませんが統一します)、在籍期間、法人名・事業所名、施設種別と規模、雇用形態、担当業務、役割を書きます。棚卸しの軸1〜3がそのまま材料になります。

3. 活かせる経験・スキル。応募先の求人内容に響く経験を3〜5項目、箇条書きでまとめます。「認知症の方への対応(グループホーム3年)」「夜勤業務(月4〜5回・3年間)」「介護記録ソフトの使用経験」など、根拠となる経験年数や場面を添えるのがポイントです。

4. 資格。履歴書と同様、正式名称で。取得見込みも記載できます。

5. 自己PR(5〜8行程度)。強みを1〜2点に絞り、具体的なエピソードと、応募先でどう活かすかをつなげます。

全体はA4で1〜2枚に収めます。長く書くほど良いわけではなく、応募先が知りたい情報が探しやすい構成になっているかが評価の分かれ目です。

なお、白紙から書き始める必要はありません。ハローワークインターネットサービスなどの公的サイトで職務経歴書の様式例やテンプレートが入手でき、ハローワークや福祉人材センターの窓口では無料の添削支援も受けられます。初めて書く人ほど、様式例で全体の型を掴んでから自分の材料を流し込む手順が効率的です。

4応募先に合わせて組み替える:求人票との突き合わせ方

職務経歴書の完成度を一段上げるのが、応募先の求人票との突き合わせです。同じ経歴でも、どの経験を前に出すかで「刺さり方」がまったく変わります。

手順はシンプルです。まず、応募先の求人票から求められていることを拾い出します。業務内容欄(「ユニット型特養での介護業務」「認知症対応型」「送迎あり」など)、応募条件欄(資格・経験年数)、そして「求める人物像」や事業者の紹介文(「チームワークを大切に」「教育体制充実」など)。次に、棚卸しした自分の経験のうち、拾い出した要素に対応するものを「活かせる経験・スキル」の上位に並べ替えます。ユニット型の経験があるならそれを最初に、認知症ケアが求められているならグループホームでの経験を前に、という要領です。

対応する経験がない要素については、隣接する経験で橋を架けます。「ユニット型の経験はないが、少人数フロアでの個別ケアの経験がある」「送迎の業務経験はないが、普通自動車免許があり運転は日常的にしている」——正直に、しかし接続点を示す書き方です。

この突き合わせ作業には副産物があります。求人票を読み込む過程で、「この職場は何を大切にしているか」「自分の経験とどこが合い、どこがズレているか」が見えてくるのです。ズレが大きすぎる求人は応募先として再考する材料になり、合う求人は志望動機の核が見つかります。職務経歴書の組み替えは、単なる書類テクニックではなく、応募先選びの精度を上げる工程でもあるのです。

5介護職ならではの具体性:数字と場面で伝える

職務経歴書の説得力は、具体性で決まります。介護職の経験を具体的に伝えるコツは、数字場面の2つです。

数字で伝える。「入所定員100名(従来型)の特別養護老人ホームで、日勤帯は職員○名体制のフロアを担当」「夜勤は月4〜5回、2人体制で約50名のフロアを担当」「新人職員3名の指導係を担当」——規模・頻度・人数の数字が入るだけで、経験の輪郭がはっきりします。正確な数字が思い出せない場合は「約」「〜名規模」で構いませんが、事実と異なる誇張は絶対に避けてください。介護業界は横のつながりもある世界であり、面接で深掘りされれば整合性はすぐに見えます。

場面で伝える。「認知症ケアに自信があります」だけでは伝わりません。「帰宅願望の強い利用者に対し、生活歴を手がかりに夕方の役割づくり(洗濯物たたみ)を提案し、落ち着いて過ごせる時間が増えた」のように、状況→自分の働きかけ→変化、の順で書くと、あなたのケアの考え方まで伝わります。ただし、利用者個人が特定されるような詳細(実名はもちろん、特定につながる具体的な病名・家族構成など)は書かないこと。事例はあくまで一般化した形で描きます。

もう一つ、改善・工夫の経験は小さなことでも価値があります。「申し送りの漏れを減らすためのメモ様式を提案した」「レクリエーションの企画を月1本担当した」——完璧な成果でなくても、課題に気づいて動いた経験は、どの職場でも通用する力の証明になります。

なお、介護現場のICT経験も忘れずに書きたい要素です。介護記録ソフトの使用経験(可能ならソフト名も)、見守りセンサーやインカムを使った業務経験、タブレットでの記録入力——記録の電子化を進める事業者は増えており、「新しい仕組みに適応してきた実績」は年齢を問わず評価される材料になります。逆に紙記録の職場しか経験がなくても、「正確な記録と申し送りを重視してきた」という土台があれば、ツールの違いは入職後に吸収できるものとして書けます。

6ケース別の書き方:未経験分野への応募・転職回数が多い場合・ブランク

状況別の書き方のポイントを整理します。

異なる種別への応募(例:施設介護から訪問介護へ)。共通する経験(身体介護の技術、記録、家族対応)を「活かせる経験」で前に出しつつ、応募先の種別で新たに学ぶ意欲を自己PRで示します。種別が変わっても介護の土台は共通です。「施設で培った○○を、訪問の場では△△として活かしたい」という橋渡しの一文が効きます。

介護職が初めての場合(他業種からの転職)。職務経歴書には前職の経験を書き、そこから介護に持ち込める力を翻訳します。接客業なら傾聴と対応力、製造業なら安全確認と手順遵守、事務職なら記録と正確性——どんな職種にも介護と接続できる経験はあります。研修の受講(初任者研修など)が進んでいれば必ず記載します。

転職回数が多い場合。職場ごとの記載を簡潔にし、職務要約で「通算○年の介護経験」と束ねて伝える構成が有効です。それぞれの職場で得たものを一行ずつでも書くと、「転々とした」ではなく「幅広い種別を経験した」という文脈に変わります。

ブランクがある場合。ブランク期間を職務経歴書で無理に説明する必要はありませんが、復職に向けた準備(研修の受講、資格の更新など)をしていれば「活かせる経験」や自己PRに含めます。家族の介護の経験は、仕事の介護とは異なるとはいえ、介護への理解として面接で語れる材料になります。

どのケースでも共通するのは、応募先の求人票を読み込み、求められている経験に自分の材料を寄せて構成することです。同じ職務経歴書の使い回しより、活かせる経験の並び順を応募先ごとに変えるだけでも、伝わり方は大きく変わります。

7仕上げのチェックと提出:読みやすさは配慮の証明

書き上げたら、次の観点で見直します。

内容のチェック:□職務要約だけで経歴の全体像が伝わるか □施設種別・規模・体制の数字が入っているか □応募先の求人内容と「活かせる経験」が対応しているか □利用者個人が特定される記述がないか □誇張や事実と異なる記載がないか □履歴書と年月・名称が一致しているか(不一致は最も避けたいミスです)

体裁のチェック:□A4で1〜2枚に収まっているか □見出し・箇条書きで情報が探しやすいか □フォントとサイズが統一されているか □誤字脱字がないか

提出時は、PDF形式に変換し、ファイル名を「職務経歴書_氏名.pdf」とします。郵送・持参の場合は履歴書と重ね、クリアファイルに入れます。履歴書と同じく、提出した内容のコピーを必ず手元に残し、面接前に読み返してください。面接官の質問の多くは、職務経歴書の記載から出発します。

最後に視点を一つ。職務経歴書を書く作業は、応募のためだけのものではありません。自分の経験を棚卸しして言葉にする過程で、「自分はこの仕事で何を積み上げてきたのか」「次はどんな経験を積みたいのか」が見えてきます。それは応募先を選ぶ基準にもなり、面接で語る軸にもなります。書類づくりを「面倒な手続き」ではなく「キャリアの中間振り返り」として使ってください。介護おしごとさーちで求人を比較する際も、棚卸しした自分の経験と求人の求める人物像を照らし合わせることで、ミスマッチの少ない応募先選びができるはずです。

また、応募先が複数ある場合は、「基本版」の職務経歴書を一つ作り、応募先ごとに「活かせる経験・スキル」の並び順と自己PRの結びだけを調整する運用が効率的です。全文を毎回書き直す必要はありません。基本版を一度しっかり作り込んでおけば、2社目以降の応募準備は30分程度で済むようになり、応募のフットワークが軽くなります。この軽さは、良い求人を見つけたときに迷わず動けるという形で、転職活動全体の質を上げてくれます。

提出前には、声に出して一度読み返すこともおすすめします。目視では気づかない不自然な文や重複は、音読すると驚くほど見つかります。

FAQ

このガイドのよくある質問

A.

事業者によります。正社員採用や経験者採用では求められることが多く、パート採用では履歴書のみの場合もあります。求人票や応募案内の指定を確認してください。求められていない場合でも、経験者であればA4一枚にまとめて添えると、経験の解像度が伝わり、面接も進めやすくなります。作成の過程で行う経験の棚卸しは、面接対策や応募先選びにも役立つため、転職活動の最初に一度作っておく価値があります。

A.

役職がなくても「役割」は必ずあります。新人や実習生への指導、委員会活動(事故防止・感染対策・行事など)、レクリエーションの企画、申し送りの工夫、記録様式の改善提案——日常の中で担ってきたことを具体的に書き出してみてください。また、担当業務そのものの解像度(夜勤の頻度と体制、看取りへの関わり、認知症ケアの経験など)を数字と場面で示すことが、役職の有無以上に経験の価値を伝えます。

A.

利用者個人が特定される情報(実名、特定につながる病名・家族構成・地域の詳細など)は書いてはいけません。守秘義務は応募書類にも及びます。エピソードは「帰宅願望の強い利用者の方に対し」のように一般化した形で、状況→自分の工夫→変化の流れで書けば、個人を特定せずにケアの考え方を伝えられます。個人情報の扱いに慎重な書き方そのものが、介護職としての信頼性の証明にもなります。

A.

書けます。前職の経験を記載し、介護に持ち込める力に翻訳するのがポイントです。接客業の傾聴力・対応力、製造業の安全確認・手順遵守、事務職の正確な記録など、どんな職種にも介護と接続できる経験があります。介護職員初任者研修などを受講中・修了済みであれば必ず記載してください。未経験者の職務経歴書は「介護の経験」ではなく「介護で活きる経験と学ぶ姿勢」を伝える書類だと考えると、書く内容が見えてきます。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。

  • ハローワークインターネットサービス

    職務経歴書の作成支援情報の入手先。ハローワーク窓口では応募書類の添削・作成相談も受けられる。

  • job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)

    介護職の職業情報(仕事内容・必要なスキル)を確認できる公的サイト。経験の棚卸しで自分の業務を言語化する際の参照先。

  • 都道府県の福祉人材センター

    介護・福祉分野専門の無料職業相談機関。応募書類の相談・添削支援を受けられる。各都道府県の社会福祉協議会が運営。

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