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介護おしごとさーち

1障害福祉サービスとは何か。介護保険サービスとの違いを整理する

「障害福祉サービス」は、障害者総合支援法(正式名称:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)に基づいて提供される福祉サービスの総称です。対象は身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)、難病による障害のある方で、支援区分(区分1〜6、支援の必要度を表す区分)に応じて利用できるサービスが決まる仕組みになっています(出典:厚生労働省「障害福祉サービスの内容」)。

介護職の転職先としてよく比較されるのが、65歳以上の高齢者を主な対象とする「介護保険サービス」です。両者は根拠法も、資格・研修の体系も異なります。介護保険では「介護福祉士」「介護職員初任者研修」などが中心的な資格ですが、障害福祉サービスでは「サービス管理責任者」「生活支援員」「重度訪問介護従業者研修修了者」など、独自の職種・研修体系があります。同じ「介護の仕事」でも、根拠となる制度が違えば求められる知識も変わる点は、転職前に必ず押さえておきたいところです。

また、障害福祉サービスは大きく「介護給付」と「訓練等給付」に分かれます。介護給付は入浴・排せつ・食事などの介助を中心とするサービス、訓練等給付は自立訓練や就労支援など「訓練」の要素が強いサービスです。求人票に書かれた「生活介護」「就労継続支援」といった言葉の意味を理解しておくと、自分がどんな仕事をすることになるのかがイメージしやすくなります。

なお、実務では介護保険サービスと障害福祉サービスの両方を運営する法人も多く、介護福祉士や実務者研修修了者が障害福祉の現場に転職するケースは珍しくありません。ただし「対象者が高齢者か障害のある方か」「根拠法が介護保険法か障害者総合支援法か」という制度の違いは、支援の考え方や求められる知識にも関わってくるため、求人を見る際はまず「これは介護給付なのか訓練等給付なのか」「対象となる利用者はどのような方か」を確認すると、仕事内容のミスマッチを防ぎやすくなります。

2障害福祉サービスの種類(居宅系・日中活動系・居住系)

障害福祉サービスは、提供される場所や関わり方によっていくつかの系統に分かれます(出典:厚生労働省「障害福祉サービスの内容」)。

居宅系(訪問系):居宅介護(ホームヘルプ)、重度訪問介護、同行援護、行動援護、自立生活援助などがあります。利用者の自宅を訪問して介助や見守りを行う働き方です。特に重度訪問介護は、重度の肢体不自由や重度の知的・精神障害のある方の自宅で、長時間にわたり身体介護・家事援助・見守りなどを行うのが特徴です。

日中活動系:生活介護、自立訓練(機能訓練・生活訓練)、宿泊型自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型・B型、就労定着支援などがあります。生活介護は常時介護を必要とする方に日中の介護や生産活動の機会を提供するサービス、就労継続支援は一般企業での就労が難しい方に働く場や訓練を提供するサービスです。

居住系:施設入所支援、共同生活援助(グループホーム)、短期入所(ショートステイ)などがあります。グループホームでは、少人数の入居者が共同生活を送りながら、日常生活の支援を受けます。施設入所支援は、生活介護等の日中活動とあわせて、夜間の入浴・排せつ・食事の介護を行うサービスで、日中活動のみの事業所とは勤務時間帯(夜勤の有無)が大きく異なります。

このように系統が分かれているため、求人を見るときは「どの系統のサービスか」「日中の仕事か、訪問の仕事か、宿泊を伴う仕事か」を最初に確認すると、生活リズムに合った職場を選びやすくなります。同じ「障害福祉」でも、系統によって働き方はかなり異なります。

また、同じ系統の中でもサービスの単位(利用定員・事業所の規模)によって、忙しさの波や1人あたりが担当する利用者数の目安が変わってきます。求人票では「生活介護」「共同生活援助」といったサービス名だけでなく、事業所の定員規模や、日中活動系であれば送迎の有無なども具体的な業務のイメージにつながるため、あわせて確認しておくと安心です。

3介護職の具体的な仕事内容と1日の流れ(サービス種類別の例)

障害福祉サービスで働く介護職の仕事内容は、配属されるサービスの種類によって大きく変わります。ここでは代表的な例を挙げます。

生活介護(日中活動系)の場合:施設に通所する利用者を迎え入れ、健康チェック、食事・入浴・排せつの介助、日中の生産活動(軽作業や創作活動など)の支援、送迎などを行います。1日の流れは概ね「送迎・受け入れ→午前の活動支援→昼食・休憩の介助→午後の活動支援→送迎・記録」という日勤中心の流れになることが多いサービスです。

重度訪問介護(居宅系)の場合:利用者の自宅を訪問し、身体介護(食事・排せつ・入浴の介助)、家事援助(調理・洗濯・掃除)、外出の付き添い、見守りなどを行います。長時間の利用(滞在型)となることもあり、勤務の入り方は事業所ごとに幅があります。

共同生活援助・グループホームの場合:世話人や生活支援員として、起床時の健康確認、食事の準備・介助、服薬の声かけ、通院の付き添い、就寝前の見守りなどを担当します。夜間の宿直や泊まり業務が発生する事業所もあります。

共通しているのは、「利用者一人ひとりの障害特性や生活歴に合わせた個別性の高い支援」が求められる点です。決まったマニュアル通りの介助だけでなく、利用者ごとの個別支援計画(一人ひとりに合わせて作成される支援の計画書)に沿って、その人に合った関わり方を工夫する場面が多いのも特徴です。

また、いずれのサービスでも、利用者本人だけでなく家族や相談支援専門員、医療機関など周囲の関係者との連携が欠かせません。利用者の体調変化や行動の変化を記録し、多職種で共有することも大切な業務の一つです。求人を見る際は、募集要項の「業務内容」欄だけでなく、対象となる利用者層(重度か軽度か、身体・知的・精神のどれが中心か)や、日勤中心か宿直・夜勤があるか、記録・引き継ぎの方法(紙かシステムか)も確認しておくと、入職後のギャップを減らせます。

4必要な資格・研修(無資格でもできる仕事とキャリアアップの道筋)

障害福祉サービスの多くの職種は、無資格・未経験からスタートできます。例えばグループホームの「世話人」は資格不問で募集されることが一般的です。生活介護の生活支援員も、資格がなくても採用され、実務を通じて経験を積んでいくケースが多く見られます。

一方で、業務内容によっては専門の研修修了が必要です。代表的なものは次の通りです。

  • 重度訪問介護従業者養成研修:重度訪問介護に従事するための研修で、基礎課程・追加課程・統合課程があります。基礎課程を修了すると障害支援区分4・5の利用者への支援に対応でき、より重度の利用者への支援(区分6等)には追加課程・統合課程の修了が必要とされています(出典:厚生労働省関連資料)。
  • 強度行動障害支援者養成研修(基礎研修・実践研修):強度行動障害のある利用者への支援に関わる研修です。
  • サービス管理責任者(サビ管):事業所ごとに配置が義務付けられている職種で、相談支援業務または直接支援業務の実務経験(年数は資格の有無により異なる)に加えて、都道府県等が実施する研修の修了が必要です。個別支援計画の作成やスタッフのマネジメントを担う、現場のまとめ役的なポジションです。

このほか、介護福祉士や実務者研修修了者といった介護保険分野の資格・研修も、障害福祉の現場で評価されることがあります。ただし資格の体系自体は介護保険と障害福祉で別建てなので、「介護福祉士を持っていればどの職種にも就ける」わけではない点は誤解しないようにしましょう。未経験で入職し、働きながら研修を受けて資格・研修要件を満たしていくキャリアパスが一般的です。求人票では「研修受講支援あり」「資格取得支援制度あり」といった記載があるかを確認すると、成長環境の見立てがしやすくなります。

5給与・待遇の考え方(出典を明記した上での留意点)

障害福祉分野で働く介護職の給与水準については、断定的な相場を示すことは避けますが、参考になる公的統計として厚生労働省「障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」があります。この調査は障害福祉サービス等報酬改定のための基礎資料を得ることを目的に毎年実施されており、令和6年度調査は令和6年10月に実施され、福祉・介護職員等処遇改善加算(I)〜(V)のいずれかを取得(届出)している事業所に在籍する介護従事者等の給与(令和5年9月と令和6年9月)を比較しています。

同調査によれば、処遇改善加算を取得している事業所における福祉・介護職員(常勤の者)の平均給与額は、令和6年9月時点で全サービス平均327,720円(令和5年9月比19,970円増)となっています。サービス種類別に見ると、重度訪問介護347,540円、施設入所支援371,620円、生活介護317,000円、共同生活援助291,050円、就労継続支援A型289,060円などと幅があります。この数値は処遇改善加算を取得している事業所(全体の87.0%)に限った平均値であり、加算未取得の事業所や地域・勤続年数・保有資格による差は反映されていません。「この職種なら必ずこれだけ稼げる」という断定はできず、あくまで参考値として捉えるのが適切です。

また、国の施策として障害福祉サービス等報酬改定のたびに処遇改善加算の見直しが行われています。令和6年度の報酬改定では、それまで複数に分かれていた処遇改善関連の加算が一本化され、加算率の引き上げも行われました。加算の取得状況や事業所内の配分方針によって、実際の手取りに反映される処遇改善の度合いは事業所ごとに異なります。

求人を見るときは、公的統計の平均値だけで判断せず、募集要項に記載された基本給・資格手当・処遇改善加算の配分方針・宿直や夜勤の手当単価・賞与の実績を具体的に確認することをおすすめします。数字だけを見て「相場より高い・低い」と即断せず、勤務形態(訪問か施設か、日勤か宿直ありか)とあわせて確認する視点を持つとよいでしょう。

6やりがいと大変さ(強度行動障害・医療的ケアへの向き合い方を含めて)

障害福祉サービスで働く介護職からよく聞かれるやりがいは、「利用者やご家族から直接感謝の言葉を受け取れる」「長期的な関わりの中で、利用者の『できること』が増えていく変化に立ち会える」といった点です。特に生活介護や就労支援の現場では、日々の積み重ねが利用者の自立や社会参加につながっていく過程を近くで見届けられることを、仕事の意義として挙げる人が多い分野です。

一方で、大変さも具体的に理解しておく必要があります。強度行動障害のある方への支援では、自傷・他害などの行動が生じる場面もあり、専門的な知識や落ち着いた対応力が求められます。国は生活介護事業所に一定割合以上の強度行動障害支援者養成研修修了者の配置を求めるなど、専門性を制度面でも重視しています。また、重度訪問介護など医療的ケアを伴う支援では、たんの吸引や経管栄養といった行為に対応する場面もあり、事業所によっては別途の研修修了が必要です。

身体的な負担(移乗介助など)に加えて、利用者の障害特性やコミュニケーション方法の違いに応じた個別対応力も求められるため、「覚えることが多い」と感じる時期は誰にでもあります。求人を確認する際は、「未経験者向けの研修体制が整っているか」「強度行動障害や医療的ケアに対応する事業所かどうか」「先輩スタッフからのOJT期間があるか」を確認しておくと、入職後に感じるギャップを小さくできます。大変さを理由に敬遠するのではなく、事前にどんな支援が必要な現場かを把握したうえで、自分の経験・適性と照らし合わせる姿勢が大切です。

7未経験・異業種からの転職のポイント

障害福祉サービスは、他業種からの転職者を積極的に受け入れている分野の一つです。前述の通り、世話人や生活支援員など無資格・未経験から始められる職種が多く、入職後に研修を受けながら知識・技術を身につけていく流れが一般的です。

異業種からの転職を考える際に意識したいポイントは次の通りです。

  • 接客・対人サービスの経験は活かしやすい:利用者やご家族とのコミュニケーション、状況に応じた柔軟な対応力は、販売・サービス業などの経験がそのまま強みになる場面が多くあります。
  • 体力面は職種によって差がある:訪問系や身体介護を伴う職種は身体的な負担があります。事務職からの転職などでは、まず日中活動系や訪問の同行から始めるなど、段階的に慣れていく選択肢もあります。
  • 研修制度の有無を必ず確認する:「入職後に重度訪問介護従業者養成研修を会社負担で受講できる」など、研修支援がある事業所かどうかは、未経験者にとって重要な判断材料です。
  • 法人の複数事業展開もチェック:一つの法人が生活介護・グループホーム・就労支援など複数のサービスを運営している場合、異動や経験の幅を広げる機会がある可能性があります。

また、育児や介護など家庭の事情でブランクがある方、他分野の資格(社会福祉士・精神保健福祉士等)を持ちながら現場経験がない方など、多様な背景を持つ人材を受け入れている事業所も少なくありません。年齢層も幅広く、中高年からの転職者が活躍している職場も見られます。大切なのは「今の自分に何ができて、何を新たに学ぶ必要があるか」を、求人票と面接の質問を通じて具体的に把握することです。

転職活動では、面接時に「未経験者への教育体制はどうなっているか」「配属予定のサービス種類と対象者層」「入職後最初の数か月はどのような業務から始めるか」を具体的に質問し、自分が想定する働き方と現場の実態にズレがないかを確かめることが、長く働き続けるための第一歩になります。

8求人を見るときの確認ポイント

障害福祉サービスの求人を比較検討する際に、特に確認しておきたい項目を整理します。

  1. サービスの種類:居宅介護、重度訪問介護、生活介護、共同生活援助(グループホーム)、就労継続支援など、どの系統のサービスかを確認しましょう。系統によって仕事内容・勤務時間帯・体力面の負担が大きく異なります。
  2. 対象となる利用者層:身体・知的・精神のどの障害が中心か、支援区分(重度か軽度か)、強度行動障害や医療的ケアへの対応があるかどうかも重要な確認事項です。
  3. 勤務形態:日勤のみか、宿直・夜勤があるか、訪問の場合は移動手段(車の運転有無)や1件あたりの滞在時間も確認しておくと安心です。
  4. 必要な資格・研修の有無と支援制度:応募時点で必須の資格があるか、入職後に研修を受けられる制度(受講料の会社負担など)があるかを確認しましょう。
  5. 給与の内訳:基本給、資格手当、処遇改善加算の配分、宿直手当・夜勤手当の単価、賞与の実績など、総支給額の内訳を具体的に確認することをおすすめします。
  6. 法人の運営体制:単一施設の運営か、複数のサービスを展開しているか。研修体制やキャリアパスの多様さに関わってきます。

なお、介護おしごとさーちは、求人情報の掲載と検索の機能を提供するサービスであり、特定の方に特定の求人をあっせん・ご紹介することはしません。気になる条件を組み合わせて検索し、求人票に書かれた情報をご自身で比較・確認したうえで、応募先を判断していただく形になります。不明点があれば、応募前に募集元の事業者へ直接問い合わせることをおすすめします。

9よくある不安への回答

障害福祉分野への転職を検討する際によく挙がる不安について、制度面を踏まえて整理します。

「介護の資格しか持っていないが働けるか」:介護福祉士などの介護保険分野の資格は、障害福祉サービスの必須要件ではない職種も多く、実務経験や研修修了で対応できる場面があります。ただし資格の体系自体は別建てのため、配属先によっては障害福祉分野独自の研修(重度訪問介護従業者養成研修など)を新たに受講する必要がある点は理解しておきましょう。

「体力的についていけるか不安」:職種によって身体的な負担は異なります。訪問系・身体介護を伴う仕事は負担が大きい一方、日中活動の見守りや事務的なサポートが中心の職種もあります。求人票の業務内容や、面接での質問を通じて、実際の身体的負担感を事前に確認しておくと安心です。

「強度行動障害のある方の支援は怖い」:強度行動障害への対応は専門的な知識と経験が必要な領域ですが、国の基準でも一定割合の研修修了者配置が求められており、未経験者がいきなり一人で対応することは想定されていません。配属前の研修やOJT体制がどの程度整っているかを、応募先に確認することをおすすめします。

「介護保険の現場と障害福祉の現場、どちらが自分に合うか分からない」:対象となる利用者の年代や障害特性、支援の目的(自立支援か生活維持か)が異なるため、どちらが合うかは一概には言えません。気になる求人の業務内容を具体的に読み比べ、可能であれば職場見学や面接で現場の雰囲気を確認してから判断することをおすすめします。

FAQ

このガイドのよくある質問

A.

根拠となる法律が異なり(障害者総合支援法と介護保険法)、資格・研修の体系も別建てです。介護保険では介護福祉士や介護職員初任者研修が中心ですが、障害福祉サービスではサービス管理責任者、生活支援員、重度訪問介護従業者研修修了者など独自の職種・研修があります。介護福祉士があれば障害福祉のどの職種にも就けるわけではない点に注意が必要です。

A.

はい、グループホームの世話人や生活介護の生活支援員など、無資格・未経験から始められる職種は多くあります。入職後に実務を通じて知識・技術を身につけていく形が一般的です。ただし重度訪問介護のように専門の研修修了が業務上必要になる場合もあるため、求人ごとに応募条件と、入職後の研修受講支援・資格取得支援制度の有無を必ず確認することをおすすめします。

A.

一律に高い・低いと断定できるデータはありません。厚生労働省『令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査』では、処遇改善加算を取得している事業所における福祉・介護職員(常勤)の平均給与額はサービス種類によって289,060円〜371,620円(令和6年9月時点)と幅があります。この調査は加算取得事業所に限った集計で、介護保険サービス側の統計とは調査設計が異なるため単純比較はできません。実際の求人票に記載された条件で個別に比較・確認することをおすすめします。

A.

重度訪問介護従業者養成研修(基礎課程・追加課程・統合課程)の修了が基本的な要件です。基礎課程の修了で障害支援区分4・5の方への支援に対応でき、より重度の方への支援には追加課程・統合課程の修了が求められる場合があります。未経験者は入職後に会社負担で研修を受けられる事業所もあるため、求人で確認するとよいでしょう。

A.

想定されていません。国の基準では、生活介護事業所などに強度行動障害支援者養成研修修了者を一定割合以上配置することが求められており、専門知識を要する領域として扱われています。多くの事業所では経験豊富な職員がチームで対応にあたり、未経験者がいきなり一人で判断を任される形にはなりにくい仕組みです。配属前の研修やOJT体制がどの程度整っているかを、応募先に具体的に確認することをおすすめします。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。

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