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介護おしごとさーち

1結論:介護施設の看護職は「療養上の世話と診療の補助」で介護職員と役割を分担する

介護施設で働く看護師・准看護師(看護職員)の仕事内容は、「療養上の世話」と「診療の補助」の2つに整理できます。 これは介護福祉士など介護職員の業務とは法律上の位置づけが異なる、看護職員固有の役割です。

根拠は「保健師助産師看護師法」(昭和23年法律第203号)です。同法第5条は看護師を「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」と定義し、第6条は准看護師を「都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者」と定義しています(出典:厚生労働省 法令データ「保健師助産師看護師法」第5条・第6条/2026年7月時点で条文確認)。看護師は自らの判断で療養上の世話・診療の補助を行えるのに対し、准看護師は医師・歯科医師・看護師の指示を受けて行う、という違いがある点も押さえておきたいところです。

介護施設の看護職員は、この「療養上の世話・診療の補助」を土台に、バイタルサイン(体温・血圧・脈拍など)の確認、服薬管理、褥瘡(じょくそう=床ずれ)や創傷の処置、医師の指示のもとでの医療処置、体調急変時の対応と医療機関との連携などを担います。一方、食事・入浴・排せつなどの直接的な身体介護は介護職員が中心を担い、両者が連携しながら利用者の生活を支える体制が一般的です。この役割分担と連携のしくみは、後述する「喀痰吸引等制度」でより具体的に定められています。

なお、介護おしごとさーちは介護施設の看護職を含む求人の「掲載」と「検索」だけを行うサービスで、特定の方に特定の求人をご紹介・あっせんすることはありません。求人を比較・検討する材料をお示しする役割に徹しています(求人データは現在準備中です)。

2介護施設の看護職員の仕事内容は?介護職員との違いを具体的に

介護施設の看護職員(看護師・准看護師)が担う具体的な業務は、大きく分けて次のようなものです。

  • 健康管理・観察:バイタルサイン測定、体調変化の観察、入所(利用)前後の健康チェック
  • 服薬管理:処方薬の管理、服薬介助、副作用の観察
  • 医療処置:褥瘡・創傷の処置、点滴の管理、インスリン注射、経管栄養チューブの管理など、医師の指示に基づく処置
  • 緊急時対応:体調急変時の一次対応、救急要請の判断、医療機関・嘱託医との連絡調整
  • 医師・嘱託医との連携:往診時の同行・情報共有、指示の受領と記録
  • 介護職員への指導・情報共有:健康状態に関する情報を介護職員と共有し、喀痰吸引等を行う介護職員と連携すること

これに対して、介護福祉士など介護職員の業務は「社会福祉士及び介護福祉士法」第2条第2項が定めるとおり、食事・入浴・排せつなどの身体介護、掃除・洗濯・調理などの生活援助、介護に関する指導が中心です(出典:厚生労働省 法令データ「社会福祉士及び介護福祉士法」第2条第2項)。つまり、「生活を支えるケア」の中心は介護職員、「医療に近いケア」の中心は看護職員、という役割分担が土台にあります。

ただし、両者はきっぱり分業しているわけではなく、日々の様子を伝え合い、体調の変化があればすぐに看護職員に報告する、といった連携が欠かせません。介護施設で働く看護職員は、看護単独の仕事というより「介護チームの一員として医療の視点を持ち込む」役割に近い、とイメージするとわかりやすいでしょう。

3介護職員は医療行為ができない?喀痰吸引等制度による連携のしくみ

「介護職員は医療行為を一切できない」というのは正確ではありません。一定の研修を修了した介護職員は、決められた範囲の医療的ケア(喀痰吸引等)に限り実施できます。ただしこれは看護職員が行う医行為全般とはまったく別の、限定的な制度です。

この制度の前提として、平成17年7月26日付けの厚生労働省医政局長通知「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」(医政発第0726005号)があります。この通知は、医師・看護師等の免許なく医業(医行為)を行うことを禁じる医師法第17条等の解釈を示すもので、爪切り(異常がない場合)、口腔ケア、耳垢の除去(耳垢塞栓の除去を除く)、ストマ装具のパウチの排泄物処理、自己導尿の補助、市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器を用いた浣腸など、原則として医行為には該当しないとされる行為を具体的に列挙しています(出典:厚生労働省「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)」平成17年7月26日付け医政発第0726005号)。これらは看護師の資格がなくても行える行為として整理されたものです。

これとは別に、平成24年(2012年)4月1日、「社会福祉士及び介護福祉士法」の改正により「喀痰吸引等制度」が施行されました。この制度で介護職員等が実施できるのは、喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部)と経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養)に限られ、実施には①医師の指示のもとで行うこと、②看護職員と連携すること(情報共有・研修・実施計画の作成等)、③都道府県に登録された事業者のもとで安全体制を整えて行うこと、という条件が前提です(出典:厚生労働省「喀痰吸引等の制度について」資料1)。

まとめると、介護職員が担えるのは限定された範囲の喀痰吸引等のみで、看護職員の医行為全般とは範囲がまったく異なります。 求人を見るときは、その施設が喀痰吸引等の登録事業者かどうか、看護職員との連携体制(オンコール対応や情報共有のしくみ)がどう組まれているかを確認すると、実際の役割分担や働き方のイメージがつかみやすくなります。

4介護施設ごとに看護職員の配置人数はどう違う?特養・老健・グループホームを比較

介護施設の看護職員の配置基準は、施設の種類によって大きく異なります。 医療的なケアの必要度が高い施設ほど、看護職員の配置が手厚く定められている傾向があります。

特別養護老人ホーム(特養)では、「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第39号)第2条第1項第3号が、看護職員(看護師・准看護師)と介護職員を合わせた総数について「入所者の数が3又はその端数を増すごとに1以上」を常勤換算で配置することと定めています。そのうえで、入所者数の区分ごとに看護職員だけの必要数も定められており、入所者30人以下では常勤換算1人以上、30人超50人以下では2人以上、50人超130人以下では3人以上、130人を超える場合は3人に加えて130人を超えた分の50人(またはその端数)ごとに1人を加えた数以上、とされています(出典:厚生労働省「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第39号)第2条第1項第3号)。

介護老人保健施設(老健)では、「介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準」(平成11年厚生省令第40号)が、看護・介護職員の総数を常勤換算で「入所者の数を3で除した数以上」とし、そのうち看護職員の員数は総数のおおむね7分の2程度、介護職員は7分の5程度を標準とすると定めています(出典:厚生労働省「介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準」(平成11年厚生省令第40号)第2条)。老健は特養より看護職員の比重がやや高めに設計されている、と読み取れます。

一方、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第34号)の人員基準(第90条〜第92条)を見ると、介護従業者や計画作成担当者は必須職種として定められていますが、看護職員は必須の配置要件としては定められていません(出典:厚生労働省「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第34号)第5章)。医療連携体制加算などを活用して訪問看護と連携したり、看護職員を独自に配置したりする事業所もありますが、施設によって体制が異なる点に注意が必要です。

まとめると、看護職員の配置の手厚さは「特養<老健」、グループホームは必須配置ではない、という違いがあります。 医療的ケアへの関わり方や忙しさのイメージが変わるため、求人を見る際は配置人数だけでなく、勤務体制(日勤のみか、オンコール・夜勤ありか)まで確認しておくと安心です。

5介護施設の看護職員の1日の流れは?(特養の一例)

ここでは入所施設の代表として、特別養護老人ホーム(特養)で働く看護職員の1日の流れをあくまで一例・目安として紹介します。実際の時間帯や業務の順番は施設ごとに異なり、特定の求人の勤務内容を表すものではありません。

  • :出社後、夜勤の介護職員から利用者の体調について申し送りを受けます。その後、利用者のバイタルサイン測定・服薬管理を行い、体調に変化がある利用者への対応を優先します。
  • 午前〜昼:褥瘡や創傷の処置、通院・往診への対応、嘱託医との情報共有などを行います。介護職員から体調変化の相談を受け、必要に応じて対応方針を伝えます。
  • 午後:入浴前後の体調確認、服薬の準備、家族への状況説明、記録の作成などを行います。
  • 夕方:翌日の医療処置の準備、日勤の記録整理、夜勤の介護職員への申し送りを行います。

特養など入所施設の看護職員は、日勤中心の勤務が多い傾向がありますが、施設によっては夜間のオンコール対応(電話での相談対応、必要に応じた出勤)を担う場合もあります。24時間の看護職員常駐が必須とされているわけではなく、夜間は介護職員が中心となって対応し、必要時に看護職員へ連絡する体制を取る施設が一般的です。「看護師だから日勤だけ」とは限らない点は、求人を見るときに確認しておきたいポイントです。

また、介護老人保健施設(老健)は特養より医療処置の頻度が高くなりやすく、入所者のリハビリ状況や退所判定に向けた医師との情報共有が加わることもあります。デイサービス(通所介護)や訪問介護と連携する事業所では、送迎前後のバイタル確認や、その日の利用者に応じた医療的ケアの準備が1日の流れに組み込まれる場合もあります。グループホームのように看護職員の配置が必須でない施設では、非常勤・パート勤務として週数日、決まった時間帯だけ訪問する形で健康管理を担うケースも見られ、常勤の入所施設勤務とは1日の密度がかなり異なります。

このように、同じ「介護施設の看護職員」でも施設の種類・常勤かパートか・医療連携の体制によって1日の忙しさや業務の中身は大きく変わります。求人票の「勤務時間」「勤務日数」だけでなく、「オンコールの頻度」「医療処置がどの程度発生するか」まで踏み込んで確認すると、入職後の働き方をより具体的にイメージできます。

6介護施設の看護職員になるには?資格取得のルートと役割の広がり

介護施設で看護職員として働くには、看護師または准看護師の国家資格・免許が必要です。 看護師になるには、看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受ける必要があります。准看護師は、都道府県知事の免許を受けて業務を行い、医師・歯科医師・看護師の指示のもとで働く点が看護師と異なります(出典:厚生労働省 法令データ「保健師助産師看護師法」第5条・第6条)。

看護師・准看護師の資格は、病院や診療所だけでなく、介護施設・訪問看護ステーション・デイサービスなど幅広い現場で活かせます。介護施設は病院に比べて医療処置の頻度は少ない一方、利用者との関わりが長期的・生活に密着している点が特徴で、「治療」よりも「生活を支える看護」に関心がある方に向く現場だといわれます。

介護施設での経験を積むと、健康管理の中心的な役割を担うだけでなく、介護職員への指導、施設内の感染対策・リスクマネジメントの推進役、ケアマネジャーや生活相談員など他職種との連携の要としての役割を担う場面も増えていきます。施設によっては、看護職員がユニットや部署のリーダー的な立場を任されることもあります。

介護施設への転職を考える看護師・准看護師の方が気になる点として、病院勤務との違い(夜勤の有無、医療処置の頻度、緊急対応の範囲)が挙げられます。これらは施設の種類や体制によって差が大きいため、次章で紹介する確認ポイントを参考に、求人ごとに具体的な内容を確かめることをおすすめします。

また、介護施設での勤務経験は、将来のキャリアの広がりにもつながります。介護施設で培った健康管理・多職種連携の経験を土台に、訪問看護ステーションへ転じたり、施設内で感染対策委員会や研修担当といった役割を任されたりするケースもあります。子育てなどでいったん現場を離れた看護師・准看護師が、夜勤の少ない介護施設の求人を選んで復職の足がかりにする例も見られます。ブランクがある場合や、病院とは異なる働き方を探している場合は、施設の教育体制(プリセプター制度の有無、医療的ケアの研修機会など)も、資格を活かす現場選びの判断材料になります。

7介護施設の看護職の求人を見るときに確認したいポイント

介護施設の看護職の仕事内容や配置基準がわかったところで、実際に求人を見る際に確認しておきたいポイントを整理します。同じ「介護施設の看護師求人」でも、施設の種類や体制によって働き方は大きく変わるため、次のような点を照らし合わせることが大切です。

  • 施設の種類:特養・老健・グループホーム・デイサービスなど、施設によって医療的ケアの頻度や看護職員の配置人数の考え方が異なります(前述の配置基準を参照)。
  • 勤務体制:日勤のみか、夜勤・オンコール対応があるか。オンコールがある場合、対応頻度や手当の有無も確認したいところです。
  • 配置人数・体制:看護職員が何人配置されているか、1人あたりが担当する利用者数の目安、夜間の連絡体制(介護職員から看護職員への連絡ルール)。
  • 医療的ケアの範囲:喀痰吸引等の登録事業者かどうか、看護職員と介護職員の役割分担・連携の実際のしくみ(情報共有の頻度・方法など)。
  • 嘱託医・協力医療機関との関係:往診の頻度、急変時の搬送先や連絡フローが明確かどうか。
  • 教育体制:介護施設での勤務経験がない場合、研修やOJTの体制があるか。

これらは求人票だけではわからないことも多いため、気になる点は面接や見学の際に直接確認するのがおすすめです。介護おしごとさーちは、施設の種類や勤務条件などで求人を検索し、自分の目で比較・確認していただくための情報提供サービスです。 特定の方に特定の求人をご紹介・あっせんすることは行っておらず、応募や選考のお取り次ぎもいたしません。気になる求人が見つかった場合は、各求人の掲載元(求人事業者)へ直接お問い合わせいただく形になります(求人データは現在準備中です)。

8まとめ:看護職員と介護職員は役割を分担しながら連携する専門職

介護施設の看護職員(看護師・准看護師)の仕事内容は、保健師助産師看護師法が定める「療養上の世話」と「診療の補助」を土台に、バイタルサイン確認、服薬管理、医療処置、緊急時対応、医師との連携などを担う専門職です。介護職員が中心となる身体介護・生活援助とは法律上の位置づけが異なり、喀痰吸引等制度による限定的な連携はあっても、看護職員の医行為全般を介護職員が代替できるわけではありません。

配置人数は施設の種類によって差があり、特養・老健では人員基準で明確に定められている一方、グループホームでは看護職員の配置が必須ではないなど、施設ごとに医療的ケアへの関わり方が変わります。求人を検討する際は、こうした制度上の違いを踏まえたうえで、勤務体制や連携のしくみを具体的に確認することが、入職後のミスマッチを防ぐ手がかりになります。

病院からの転職を考える場合、介護施設は医療処置の頻度こそ病院より少ない傾向にありますが、その分「利用者の生活全体を見渡しながら、介護職員と連携して健康を支える」という、病院とは異なるやりがいのある役割を担えます。今回整理した制度上の役割分担・配置基準・連携のしくみは、施設によって運用の濃淡が出やすい部分でもあるため、同じ「看護職員」の求人でも中身は一様ではないと捉えておくと安心です。

介護施設で働く職種全体を見比べたい方は「介護の職種一覧と仕事内容の違い」もあわせてご参照ください。介護おしごとさーちは、職種や勤務条件などの情報をもとに求人を検索し、比較・検討していただくための場を提供しています。特定の方への求人のご紹介・あっせんは行わず、判断はご自身で行っていただく情報提供サービスです(求人データは現在準備中です)。

FAQ

このガイドのよくある質問

A.

看護師(准看護師)は保健師助産師看護師法第5条・第6条に基づき「療養上の世話」と「診療の補助」を業とし、バイタルサイン確認・服薬管理・医療処置・緊急時対応などを担います。介護福祉士など介護職員は社会福祉士及び介護福祉士法第2条第2項に基づき、食事・入浴・排せつなどの身体介護や生活援助が中心です。両者は法律上の位置づけが異なり、日々連携しながら役割を分担しています。

A.

できません。介護職員が担えるのは、一定の研修を修了し、医師の指示・看護職員との連携・登録事業者での実施という条件を満たした場合の「喀痰吸引等」(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の喀痰吸引、胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養)に限られます(平成24年4月1日施行)。看護師・准看護師が行う医行為全般とは範囲がまったく異なり、混同しないよう注意が必要です。

A.

はい、施設の種類によって異なります。特別養護老人ホームは入所者数に応じた区分で看護職員の必要人数が定められ(例:30人以下で常勤換算1人以上)、介護老人保健施設は看護・介護職員の総数のうち看護職員がおおむね7分の2程度を標準とするなど、やや手厚めの目安があります。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は看護職員の配置が必須要件ではありません。

A.

施設や体制によって異なります。特養など入所施設の看護職員は日勤中心の勤務が多い傾向がありますが、夜間は介護職員が対応し、必要時に看護職員へ連絡・オンコール対応する体制を取る施設も少なくありません。24時間の看護職員常駐が制度上必須とされているわけではないため、夜勤・オンコールの有無や頻度は求人ごとに確認することをおすすめします。

A.

業務の中身自体は近いものの、実施の前提が異なります。看護師は自らの判断で療養上の世話・診療の補助を行えますが、准看護師は保健師助産師看護師法第6条に基づき、医師・歯科医師・看護師の指示を受けて行うことが定められています。介護施設での役割分担や指示系統は施設によって異なるため、求人内容や面接で具体的な体制を確認すると安心です。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。

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