介護の仕事をしている人が、自分の親や家族の介護に直面する——介護職の年齢構成を考えれば、これはとても起こりやすい状況です。そして意外なことに、介護のプロこそ、家族の介護との両立でつまずきやすいという現実があります。「自分はやり方を知っているから」と1人で抱え込み、仕事と家庭の二重の介護で消耗してしまうケースです。
両立の基本方針は3つです。第一に、法律上の制度を知って使うこと。介護休業・介護休暇・勤務時間の短縮等の措置など、育児・介護休業法に基づく仕組みは介護職ももちろん対象です。第二に、職場に早めに伝えること。2025年の法改正で、家族の介護に直面した旨を申し出た労働者に対して、事業主が両立支援制度を個別に周知し意向を確認することが義務づけられました。伝えることが、支援の入口になる制度設計に変わっています。第三に、自分の家族の介護は、地域包括支援センターやケアマネジャーといった外部の専門職に相談すること。プロであるあなた自身が家族のケアマネジメントを1人で担うのではなく、仕事で実践している「チームで支える」原則を、自分の家庭にも適用するのです。
この記事では、制度の全体像、介護休業を「自分で介護する期間」ではなく「体制を整える期間」と捉える考え方、介護職特有の落とし穴、職場との調整、そして転職を考える場合の注意点まで、順に整理します。なお、制度の内容は法改正で変わるため、実際の利用にあたっては厚生労働省の公式情報と勤務先の規程で最新を確認してください。
