「前はあんなに利用者さんのことを考えられたのに、今は心が動かない」「仕事に行けば体は動くけれど、気持ちがついてこない」——そんな状態に気づいたとき、多くの人は「自分の頑張りが足りない」「介護に向いていなかったのかも」と自分を責めます。しかし、燃え尽きと呼ばれる状態は、頑張らなかった人には起きません。真剣に頑張り続けた人にこそ起きる、いわば頑張りすぎた結果です。
だからこそ、回復の方向は「もっと頑張る」ことではありません。必要なのは、①きちんと休むこと、②仕事との距離を再設計すること、③職場の環境要因に働きかけること、そして場合によっては④環境そのものを変えること。この順番で考えていきます。
最初にお断りしておくと、この記事は医学的な診断や治療を示すものではありません。眠れない、食欲がない、気分の落ち込みが続くといった心身の不調のサインが強く出ている場合は、燃え尽きかどうかの整理より先に、医療機関や専門の相談窓口(厚生労働省の「こころの耳」など、匿名・無料で使える窓口があります)に相談してください。この記事の役割は、その手前の段階——「病気というほどではない気がするけれど、明らかに気力が落ちている」というときの考え方の整理です。
気力の低下は、介護職としての終わりのサインではありません。働き方と仕事との関係を見直すタイミングが来た、というサインです。ここから、その見直しの道筋を順に歩いていきましょう。
