「介護の仕事は腰を痛める」「年齢的に体力がもつか不安」——介護職を続けるうえで、体への負担は最も現実的な心配事の一つです。ここでまず知ってほしいのは、体の負担への対策は、個人の頑張りや我慢の問題から、職場の設備・体制・教育の問題へと、考え方が大きく変わってきているということです。
国は「職場における腰痛予防対策指針」で、福祉・医療分野の介護・看護作業について、リフトなどの福祉機器を積極的に使用し、原則として人力による人の抱上げは行わせないという方向性を示しています。いわゆるノーリフトケア(ノーリフティングケア)の考え方です。つまり「腰痛は根性と気合いでこらえるもの」ではなく、「設備と方法で予防するもの」というのが、現在の公式な考え方なのです。
この前提に立つと、あなたの体の負担は、どの職場を選ぶかで大きく変わることになります。リフトやスライディングシートが整備され、2人介助のルールが徹底され、持ち上げない介助技術の研修がある職場と、「昔ながらのやり方」で人力に頼り続ける職場とでは、同じ介護職でも体への蓄積がまったく違います。
この記事では、国の指針の内容、職場の設備・体制・教育のどこを見ればよいか、日々のセルフケアの考え方、痛みが出てしまったときの対応(労災を含む)、そして求人票と面接での確認方法まで、順に解説します。体力への不安は、正しい知識と職場選びでかなりの程度小さくできます。
