介護職の求人票を見比べていると、「賞与年2回」と書かれているところもあれば、賞与欄に「なし」とだけ書かれているところもあります。まず押さえておきたいのは、賞与(ボーナス)の支給は法律上の義務ではないという点です。
賞与は労働基準法第11条が定める「賃金」(賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの)には含まれます。しかし、労働基準法そのものは「賞与を支給しなければならない」とは定めていません。賞与を支給するかどうか、年何回にするか、どういう基準で金額を決めるかは、各事業所(法人)が就業規則や労働契約で自主的に定める事項です(出典:厚生労働省 モデル就業規則「第46条 賞与」解説/2026年7月時点)。
つまり「介護職だから賞与が出る/出ない」という業界一律のルールがあるわけではなく、運営法人ごとの経営判断・給与制度の設計次第というのが実態です。同じ介護福祉士という資格・同じような仕事内容でも、法人によって賞与の有無や支給月数が大きく異なることがあるのはこのためです。
ただし、いったん就業規則や雇用契約書に「賞与を支給する」「支給対象時期・算定基準を◯◯とする」といった条件を明記すると、その事業所はその条件に沿って賞与を支払う契約上の義務を負います。つまり「制度として賞与があるかどうか」は法人の自由ですが、「制度がある以上はその条件を守る」のは会社の義務になる、という2段階の構造になっています。求人票で「賞与あり」と書かれている場合、その支給条件がどこまで明文化されているか(求人票の記載だけか、就業規則にも明記されているか)は、入職後の実態を左右する重要なポイントです。
