
給与や手当を本採用後と分けて設定する職場はありますが、その内容は労働条件通知書に書かれている必要があります。最低賃金は試用期間中も適用され、社会保険は加入要件を満たせば入職日から加入します。
給与・手当の差。「試用期間中:時給○円、本採用後:月給○円」のように、試用中の給与形態や金額が異なる設定は珍しくありません。差がある場合は、その内容が労働条件通知書に明示されているかを確認します。夜勤手当や資格手当が試用中は支給されない、という設計の職場もあるため、手当の扱いまで含めて見てください。もちろん、試用期間中であっても最低賃金は適用されます。なお、試用期間中の者について最低賃金の減額の特例が認められる制度はありますが、都道府県労働局長の許可を受けた場合に限られる例外的な仕組みであり、事業者が自由に最低賃金を下回れるわけではありません。
社会保険。健康保険・厚生年金・雇用保険は、「試用期間が終わってから加入」という運用は誤りです。加入要件を満たす働き方であれば、雇用の当初(入職日)から加入するのが原則です。「試用期間中は保険に入れない」と言われた場合は、その理由を確認し、納得できなければ年金事務所や総合労働相談コーナーに相談できる事案です。
労災保険。業務中のけがに適用される労災保険は、雇用形態や期間にかかわらず働く人すべてに適用されます。介助中の腰痛やけがのリスクがある介護職にとって、初日から対象になることは知っておきたい基本です。
年次有給休暇。有給休暇は、雇い入れから6か月継続して勤務し、出勤率が8割以上の人に付与されます。モデル就業規則の解説では、この「継続勤務」は在籍期間を指すとされており、試用期間も含めて数えます。試用期間が終わってから6か月を数え直すわけではありません。
夜勤の開始時期。待遇と併せて、試用期間中の業務の範囲(夜勤にいつから入るか、独り立ちの目安)も確認しておくと、最初の数ヶ月の生活設計が立てやすくなります。
そして入職後、最初の給与明細を受け取ったら、労働条件通知書の記載と突き合わせて確認する習慣をつけてください。基本給・各種手当・控除(社会保険料・税)が契約どおりかを最初の月に確認しておけば、食い違いがあっても早く指摘できます。試用期間中の給与設定が本採用後と異なる場合は、本採用に切り替わった月の明細も同じように確認します。明細の読み方は介護職の給与明細で見るポイントで整理しています。