介護の職場でハラスメントに悩んだとき、最も避けたいのは「自分の我慢が足りないだけかもしれない」と1人で抱え込むことです。ハラスメントへの対応は、個人の忍耐の問題ではなく、事業主に法律上の防止措置が義務づけられている組織の問題です。そして、あなたが使える相談先は職場の内外に複数用意されています。
基本の進め方はシンプルです。第一に、事実の記録を残すこと。いつ・どこで・誰に・何をされた(言われた)かのメモは、どの相談先でも対応の土台になります。第二に、職場内の相談ルート(相談窓口・上司・法人本部)を使うこと。事業主にはハラスメントの相談体制を整える義務があり、相談したことを理由とする不利益な取扱いは法律で禁止されています。第三に、職場内で解決しない・職場に相談しにくい場合は、総合労働相談コーナーをはじめとする外部の公的窓口へ。無料・予約不要で、あらゆる労働問題を相談できます。
介護職の場合、同僚や上司からのハラスメントだけでなく、利用者や家族からのハラスメントという介護現場特有の問題もあります。これも「仕事だから仕方ない」ものではなく、厚生労働省が対策マニュアルを作成して事業者に組織的対応を求めている、れっきとした労働環境の問題です。
この記事では、ハラスメントの種類の整理、記録の残し方、職場内・外部それぞれの相談先と使い方、そして求人選びの段階でハラスメント対策が機能している職場を見極める視点まで、順に解説します。なお、個別のケースがハラスメントに該当するかどうかの法的判断はこの記事ではできません。判断に迷う場合こそ、専門の相談窓口を利用してください。
